ミュージカル「ママ・ドント・クライ」(2016)観劇後記-新伯爵の足なが度チェック

ミュージカル「ママ・ドント・クライ」見てまいりました。大学路のユニプレックス2館にて上演中。5月から始まった今回の公演、暢気に構えていたら8月28日(2016年)に千秋楽がせまっているではございませんか。おお、危ない危ない。ということで、見て来たキャストはこちら。

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 プロフェッサーV キム・ホヨン

ドラキュラ伯爵 イ・チャンヨプ

「ラ・カージュ」や「プリシラ」でおなじみ、次回キンキーブーツのチャーリーなホヨンさんと、ミュージカル新人さんイ・チャンヨプさんのペア。

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(最初の1分くらいをキム・ホヨンさんが歌っておられます。1分37秒くらいからはイ・チャンヨプさんが登場。歌声チェックにどうぞ)

ミュージカル「ママ・ドント・クライ」略して「マドンク」は大学路で上演される創作ミュージカルの人気ヒット作の一つです。2015年の再観覧率はなんとびっくり79%(と、プログラムブックに記載)。今年はついにDVDだのOSTだのが発売されたりもいたしました(劇場MDショップで購入可能。でもすでにかなり在庫僅少、再生産いつするか検討中くらいの感じらしい)。

マドンクは二人劇なのですが、同様の二人劇「スリル・ミー」や「ストーリー・オブ・マイライフ」がそうであるように、どのペアどの組み合わせを見に行くかによって、お芝居の雰囲気、はては物語の解釈まで変わってしまう。再観覧は必至。確かに無理もない79%のリピート率なのです。さらに今回のマドンクでは、プロフェッサーVが6人、ドラキュラ伯爵が5人キャスティングされているという。全組み合わせ1回づつ見るだけで30回みなければならない鬼畜な商売でございますな。いや、幸せなんだけどさ。

どんなお話なの?(ネタバレ含みます)

多くの韓国ミュージカルファンの方はすでにご存じとおもわれますが。超簡単に説明しておきますと。プロフェッサーVはモテない物理学者。天才で若くして大学教授になっちゃうくらいなんだけど、周りからはキモオタ扱い。故人となった気難しい学者の父に苦労させられ続けた母は、そんな息子を心配している。息子も母を悲しませないためにパートナーを探そうとするのだけど非モテ力が強すぎてうまくいかない。困り果てていると、突如お家に「月刊ヴァンパイヤ」なる雑誌が届く。その雑誌を読みふけるうちに、恋愛力を上げるためには、魅力の権化、ドラキュラ伯爵に師事するよりほかにないと思い至るのでした(急展開!)。そして天才なのでタイムマシーンをつくり、ドラキュラ伯爵のいるルーマニアに。僕をモテモテにしてくれ!と頼みこみ「自分もドラキュラに」してもらうのでした(さらに急展開!)。

ここら辺からは「永遠の命を持ちし者の孤独」問題と「愛するものを殺してしまうかもという葛藤」問題という、名作「ポーの一族」から「トワイライト」シリーズまで、古今東西の少女向けドラキュラモノが扱ってきたテッパンのテーマが展開。そして最終的に、孤独な魂を理解しあえるのはお互い永遠の命を持つ「男子二人」だけなのです。はい、キター。

永遠に生き続ける二人の葛藤と伯爵の死(というかプロフェッサーが殺すんですが)、憧れの女性メーテルを愛するが故に、彼女を殺してしまわないよう別れる決意をするプロフェッサーV。などなどを経て、吸血鬼として生きていく覚悟を決めたプロフェッサーVは、どっこい死んでなかった伯爵と再会。たがいに唯一無二の関係が確認されるのであります。

見どころは、状況説明、経緯説明などと平行してほぼずーっと1人劇で物語を進行させるプロフェッサーVの話(と歌)の合間に「ちらちら」っと出てくる伯爵の「美しさ」。もちろん、プロフェッサーVのコミカル演技と滑舌も重要です。

新伯爵の注目ポイント

さて、今回見て来た伯爵はマドンクでミュージカル舞台デビューとなった新人イ・チャンヨプさん。多くの方がその感想として「足ながっ!!!」と叫ばれることでしょう(それだけ?)。どれだけ長いって、舞台の両端に届くのではないかと思われるくらいながい。かに道楽のカニくらい長い(をい)。すらりとした長身と美貌、袖口フリルと襟元フリルな伯爵ルックが似合い過ぎでございます。劇中の8-9割の台詞をしゃべり続けるプロフェッサーVが魅了され崇拝する絶世の美形・魅力の権化でないとならないこのドラキュラ役。その魅力によってキモオタだったプロフェッサーVがモテモテ色男になっちゃうというムリムリ設定ですからね。そりゃ絶大な美形力が要求される。もちろん役者さんたちは、その役者力によって美形度を増強させることができるという力量をおもちなのでございますが。イ・チャンヨプさんはかなり基礎力が高いので、新人であってもかなり高得点をたたき出しておられました。芸達者なキム・ホヨンさんが、完璧にへんてこりんな3枚目なので、より光り輝いておられたのやもしれません。

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(見つめあうふたり。カーテンコールは撮影可能です)

ちなみに、カーテンコールでは温泉地の演芸場と化すこのミュージカル(楽曲中に、韓国の演歌ともいえるトロットっポイパートがあるので)。盛大にサービス特典なライヴ付き。終了時間の読み間違えにご注意を。