ミュージカル「トレースユーTRACE U」感想!-ストーリーのあるライブだと思ってはじけよう!

韓国の創作ミュージカル「トレース・ユーTRACE U」見てまいりました。2016年8月3日~9月25日まで大学路アートワンシアター1館にて上演中。2012年の公演芸術インキュベータープログラムの台本公募で賞をとり、優秀作品制作支援作に選ばれたこの作品。2012年にプレビュー公演、2013年初演で2014年の再演をへての今回でございます。サブタイトルに「クラブドバイ、あなたを待つ一人の男」とあります。「一人の」がミソ。

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今回会場となっているアートワンシアター1館は地下にもぐっていく怪しげ感満載の劇場。393席らしいのですがもうちょっと密な空間に感じられる。作品は「ドバイ」というライブハウスが舞台。まさにそのライブハウスにいるという設定なので、この地下の空間は作品にぴったりでした。ローカル度が相当高めですが、恐れずに階段をおりてください!見てきたキャストはこちら。

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ウビン:チェ・ジェリム

ボナ:チョン・ウクジン

あらすじ(ネタバレありあり)

公募の台本賞を受賞している本作品。しかし、なんだかよくわからないオチ。多様な解釈に開かれまくっていて、好きに考えればいいってこと?と開き直るよりほかありません。おそらく見る人によっていろいろなとらえ方があると思うのですが、ざっくりとした流れをまとめてみます。

まず最初の舞台は「ドバイ」というライブハウス。バンドのボーカルを務めるボナは捨て子。ライブハウスを経営しているウビンは音楽の才能にあふれ、彼と一緒に曲を作っている。ボナに「悲しい生い立ち」を売りにしてスターになれとすすめる。だが、ボナはライブハウスを訪れる女性に恋をして、気もそぞろだ。時に頭痛がおそい、薬を飲もうとするがウビンはそれを許さない。ボナは恋した女性に店が終わる午前4時にライブハウスにきてくれるように頼むが、彼女は姿を現さない。失望するボナ。しかし数日後、彼女は死体で発見される。誰が彼女を殺したのかー?

ボナは記憶を失っていたが、実は彼女はライブハウスを訪れていた。ボナは彼女のためだけにライブを開き、愛を告白していたのだ。しかし彼女は涙を流し、実は捨て子だったボナの母親であると告げた。衝撃を受け、混乱するボナ。彼女との出会いを忘れようとするボナのために(?)、ウビンは彼女を殺したのだった。

ウビンの告白に驚愕し、ウビンのもとを離れようとするボナ。しかしウビンはボナに、自分はボナのもうひとつの人格なのだと告げるのだった(なんじゃそら!)。そして、実は、3年前から彼らは病院で治療を受けており、ボナが飲もうとしていた薬は2つの人格を統合する(どちらかをなくす)ための治療薬だったこともわかる。ウビンはボナに薬を飲み、どちらかが消えたと周囲が思えば、ここから出られるという(ちょっとこの辺あいまいです)。そしてー。

再び、どこかのライブハウス。ミュージカル冒頭と同じ「TRECE U」が歌われている。しかし、メインのボーカルを務めているのは、ボナではなくウビンであった人物。そしてボナは、ウビンがいた場所にいるのだったーで、幕。

わ、わからん!

はじけたもの勝ち!

さて、このようにどこが基点となる現実なのかよくわからないつくりになっております。個人的には(超解釈)ライブハウスはある人物の脳内を表現したもので、音楽を偏愛する冷徹な人格と、孤独で愛を求める人格との葛藤が、母殺しの事実をめぐっておこっているのだ、とみればいいのかなーと考えたりもするのですが。まあ、それはおいておいて。物語解釈もひとつの楽しみではあるのですが、それはおうちにかえってからじっくりするとして、会場ではライブハウスにきた気分ではじけたい。

しょっぱなからドラムががんがん鳴り響き、「トライ(イカレてる)」という曲など、一緒にイっちゃいますよ!こりゃ、というやばいノリ。これはもう音楽に身を任せるしかない。ストーリーのついたライブだとおもって、ウクチンさんのキレキレ具合を愛でるのもよろしいかと。

そして、上演中「うおー、もう座席はいらん!このミュージカルはスタンディングでいい!」と思ったその情熱を、カーテンコールにぶつけましょう。このとき会場はまさにライブハウスと化します。複数回実に来ている人が多いこの作品。みんなの投票によってその日のカーテンコール曲がきまるシステム。物語終了とともに全員いきなりのスタンディング(座席があるから前につめられないのですが)です。周囲の韓国の若者たち(客層は相当若く、ほぼ女性です)は尋常ではなくはじけてきますので、ここで躊躇していては取り残され感がハンバない。自分を見つめる客観的まなざしは消去して、飛んでください。はねてください。がんがん縦ノリでいってください。大丈夫、ウクチンさんは相当狂ってましたからね。ジェリムさんはやや恥じらいがみえた(様な気がする)けど、飛んでましたよ。この際、同じあほならおどらにゃそんそん!の阿波踊り精神を発揮しましょう。

・・という具合に、このミュージカルは、お芝居とライブが同時に楽しめるとってもお得な作品なのです。個人的にはマチネではなく、ソワレをお勧めしたい。気分よく夜をぶっ飛ばす感じがよいのではとおもわれます。

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