文化駅ソウル284の「ファン・ゴッホ・インサイド」展-ミュージカル「ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ」の舞台感覚を追体験する

韓国の創作ミュージカル「ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ(以下ゴッホ)」の舞台装置として存在感を示していた「プロジェクション・マッピングProjection Mapping」という手法。今回はミュージカル「ゴッホ」の舞台セットと見比べると面白いのでは、ということで、この手法を用いた展覧会、2016年1月8日~4月17日まで文化駅ソウル284にて開催中の「ファン・ゴッホ・インサイド-光と音楽の祝祭」展を見てきました。

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この展覧会、ソウル駅旧駅舎前面の壁にゴッホの肖像画の垂れ幕が下がっているので「ゴッホの絵画が展示してある展覧会だろう」と思ってしまいがちですが・・。ゴッホの絵画ではなく、ゴッホ(と印象派の画家)の絵画の映像の展示なのでご注意。オリジナルは一点もありませんぜ。

 

展覧会の目玉はゴッホの絵画というより、それをどんなふうに見せるか、というメディアアートの力量にあります。ここで用いられているのがプロジェクションマッピングなのです。

そもそもプロジェクションマッピングとは、wikiによると「パソコンで作成したCGとプロジェクタの様な映写機器を用い、建物や物体、あるいは空間などに対して映像を映し出す技術の総称をいう」とのこと。日本では2012年の東京駅丸の内駅舎への投影の様子をみて、多くの人がこの手法を認知するようになったといわれています。テレビなどで目にされた方も多いのでは。

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ミュージカル「ゴッホ」では、壁に埋め込まれたワードローブやベッド型の箱が時折引き出されて舞台に立体感を作り出し、そこに映像が投影されることで、その場所が室内-屋外、そしてある時はゴッホの内面を示す場所に変化しました。ゴッホの絵が空間全体に投影されることで、まるで私たちも彼が見ていた風景の中にいるかのような錯覚におちいるくらい。舞台とメディアアートが融合したとても素敵な体験でした。

(2015年版のハイライト画像)

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「ファン・ゴッホ・インサイド」では、あの、映像が迫ってくるような観劇の感覚をもう一度味わえます。展示と観劇の追体験、ミュージカル「ゴッホ」を見た人は二倍楽しめるはず。展示会場で、思いっきり、ゴッホ兄弟ごっこしてください。ええ、誰に見られても恥ずかしがらずに!

この展覧会の会場になっているのは、ソウル駅の旧駅舎。上の映像でプロジェクションマッピングされた東京駅と同じく、20世紀前半に立てられたいわゆる「近代建築」です。1900年に「南大門駅」として誕生し、1920年代に「京城(けいじょう)駅」に改称、現在史跡284号に指定されている駅舎になりました。1947年にはソウル駅となり、2003年まで駅舎として使用。新駅舎が完成したのちに旧駅舎は文化財として保存され、2011年に複合文化空間として生まれ変わっています。

西洋の文物が流入してきた20世紀前半の朝鮮半島。大陸へ、あるいは日本へと旅立つ人が眺めたであろう駅舎の大きな時計。文化人・芸術家たちが集まって議論を交わした駅舎の洋食食堂には、ハイカラな装飾がちりばめられています。ドラマ「京城スキャンダル」にも登場した、モダンボーイ・モダンガールたちが闊歩したかもしれない、おしゃれ空間がかつての京城駅でした。この空間とのマッチングがまたよい。

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展覧会では、 レトロモダンなかつての食堂ホールに一面の麦畑が広がっています。大きな音とともにカラスが飛び立ち、ちょっとびっくり。こんな風にして、観客たちは、ゴッホの「カラスのいる麦畑」に紛れ込むのです。時間旅行と、フランスへの旅、そしてゴッホの内面への旅が同時に楽しめる作品となっていましたよ。

 

「ファン・ゴッホインサイド-光と音楽の祝祭」
開催期間 2016年1月8日~4月17日
休館日 月曜日
開館時間 10:00~19:00(1時間前まで入場可能)
料金 大人15,000ウォン、大学生13,000ウォン、小中高生10,000ウォン、子ども8,000ウォン※ほかにも各種割引あり
行き方:
国鉄・地下鉄1・4号線・空港鉄道ソウル駅(ソウルヨッ、Seoul Station)の1番出口を地上まで出て右側に進みます。
②約130m直進すると左側にあります。
※現在の地下鉄・KTXソウル駅の横にあります。ロッテマートソウル駅店の前の建築物。お買い物のついでに。

ファン・ゴッホインサイド:光と音楽の祝祭

 

一部展示されているメディア作品の様子がここで見られます。

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あ、チャングンソクさんが広報大使してらっしゃいますね。この展示。