韓国ミュージカル☆ライフ

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ミュージカル「イブルデッドEVIL DEAD」観覧記ー夏だ!ゾンビだ!流血だ!

ゾンビホラーなB級お笑いミュージカル「イブルデッドEVIL DEAD」が大学路ユニフレックス1館にて上演中。2018年6月12日に幕を開け、もうすぐ終わってしまう8月26日まで。みなさま血はたっぷりかぶられましたか?私は血塗られる方々をのんびりみる「雪原席」で鑑賞させていただきました。見てきたキャストはこちら!

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アッシュ:ソ・ギョンス

スコット:ウ・チャン

アニー・シェリー:キム・リョウォン

リンダ:ソ・エリム

シェリル:ソン・ナヨン

映画「死霊のはらわた」ミュージカル版

本作品は、日本では「死霊のはらわた」として公開された映画The Evil Deadのミュージカルバージョン。映画の1と2の主人公たちが一緒に活躍し、3の一部分もとりいれられた豪華(?)もりだくさんな内容。一応ミュージカル版のオリジナルは2003年カナダ・トロントで初演を迎えている模様。韓国では2008年に上演されており、リュ・ジョンハン、ヤン・ジュンモ、チョ・ジョンソクらが参加したという、伝統ある作品です。それが2017年に久々の復活をとげ、昨年に引き続き本年も上演の運びとあいなりました。「死霊のはらわた」がそうであるように、本作品も大変「B級」。そして無駄に音楽が「ミュージカル」。それも、大劇場ミュージカル的楽曲(でも演奏はバンド)でもりあがる、もりあがる。さまざまなミュージカルのパロディもはいって楽しめます(突如、「メン・オブ・ラマンチャ」の曲にスライドしちゃったりして)。そして最後はライブ!ゾンビとともにダンスを楽しむ大学路ミュージカルあるあるスタイルです。途中拍手したり悲鳴を上げたり、「あらあら、まあまあ」と驚いたりすることを観客に強くお願いする「参加型」作品。そして、声をだすだけではなく、登場人物たちとおなじように観客も「ゾンビ」となるべく、血糊をぶっかけられる席が指定されているという過激さです。最前列なのにパイプ椅子!基本、MDショップの「イブルデッドTシャツ」を着用することが望まれている。お土産に、血まみれのTシャツはいかがでしょうか。

1幕2幕前の「観劇の際の注意」が超面白い

このミュージカルは「参加型」。観客はさまざまな「参加」のお願いをされるのですが、それは1幕前の「観劇の際の注意」からはじまります。通常、開演前には「上演中の許可されない撮影や録音は禁止です。携帯電話の電源はお切りください」といようなあたりさわりのない注意がなされますが・・。この劇の「注意事項」は、おもしろ注意喚起で有名なLGアートのメンションをはるかに超える充実度。「すでに、劇場の人にも散々注意されているとおもうので、ここでは重要なことしかいいません」などと前置きしておきながら、「観劇中の撮影、携帯電話での通話、メッセージの確認、送信、受信、ほかのサイトの確認・・などはやめてください」というように、やたら長い!しかも観劇中の禁止事項として、「靴を脱ぐこと、靴下を脱ぐこと、背をわざとたかくみせること・・はしないでください」などと、やたら細かい事項がならべられ、劇場はこの段階から笑うしかない状況に。そして、「この劇を見た皆さんは、愛、家族、死を哲学的に考えてみる・・必要はありません。ストレスの多いこの時代、すっきりして帰ってくださいね!」といような、B級宣言がなされるのです。そう、この劇は、キャーキャーいって、げらげら笑ってナンボなエンターテインメントなのでございます。

スプラッター席がエンタメ度を上げるよ

さて、さきほどこの劇には「スプラッター席」なるものが設定されており、劇中にゾンビから血糊を浴びせられるとおつたえいたしました。一応、マチネも設定されている本ミュージカルでは、スプラッター席にすわりながらも、血糊をあびることを最小限に抑えようとする優柔不断なお客様のために、レインコートが配布されるのですが・・。しかし、常連が大半とおもわれるスプラッター席の観客たちは皆、レインコートをはがされる覚悟、被り物を剥ぎ取られる覚悟もされているようで、劇場前にはビーサンにイブルデッドTシャツ、パジャマみたいな半パンといういでたちで、ん?ここは海の家かな?的風景が広がります。ゾンビになるき満々といいましょうか。

しかし、こうした皆のやる気が裏目にでてか、観客席前方「スプラッター席」のひとびとがゾンビのいけにえになる二幕開始前には、「2017年には、『本当に(血糊を)かけられるの??』という緊張から、皆さん自然に悲鳴を上げてくださいましたが、2018年にはいってから、『さあ、おかけなさい』というような態度がみられるようになりました。悲鳴の量が減っております!非常に残念です。この問題は、われわれではなく、皆さんの責任です。さあ、悲鳴を出す練習をしましょう」みたいに言われ、叫ばされるのでありました。ゾンビ化にむけてやるき満々なのも考え物なのです。

ちなみに、「スプラッター席ではないかたがたは、ゾンビの餌食になるひとびとをみて「あらあら!」とか「わー」などと、声を上げてください」などと指定もはいりますので。とりあえず、このとき一緒に「発声練習」をして、気分をもりあげておきましょう。

 

で、肝心の物語なのですが・・とりあえず力尽きたので、続く。

 

ちなみに、ストーリー関係なく楽しめますので、夏のフランケン観劇滞在中の方は、ぜひ・・!・・・いや、フランケンみたほうがいいかな・・いや・・もしよろしければ・・ぜひ!・・・(ためらいが・・)。