ミュージカル「ジャック・ザ・リッパー」感想もいってみよー!-ワン・ヨンボム、イ・ソンジュン祭りだわっしょい
ミュージカル「ジャック・ザ・リッパー」が始まりましたね!新道林(シンドリム)のDキューブシアターにて2016年7月15日~10月9日まで上演中。この春三銃士を見た人、以前「ジャック・ザ・リッパー」などを見たことのある人には朗報。YES24で割引をやっていますよ!(正確に言うと「ロビンフッド」「チェス」「シンデレラ」「三銃士」「ジャック・ザ・リッパー」の内1つ以上の有料チケットを持っている場合、1人4枚まで20%の割引)
今回選択したダニエル、アンダーソンは若者ペア(「ジャック」内比較による)。グロリアが最初、ダニエルを「あじょし!(おじさん)」と呼びかけるのにむしろ違和感があるというかなんというか(いや、リュ・ジョンハン先生やオム・ギジュンさんもこの呼称だからね、ま、いいんですが。考えてみたらカイも30代だし)。
ダニエル:カイ
アンダーソン:パク・ソンファン
ジャック:イ・チャンヒ
モンロー:キム・デジョン
グロリア:キム・エウォン
ポーリー:チョン・ダニョン
お遊びがちらほら
さて、この作品は、ミュージカル「フランケンシュタイン」の創作メンバーであるワン・ヨンボムさんが演出、イ・ソンジュンさんが音楽監督を務めています。「三銃士」も、さらにいえば「オール・シュック・アップ」もそうなんですけどね。祭りだ祭りだわっしょい。
で、(以下ややネタバタバレが含まれます)「ジャック・ザ・リッパー」では、ダニエルの臓器移植用研究室(臓器保管用冷蔵庫つき)というセットがでてまいります。ちょっと乱暴に触ると蒸気を吹くような冷蔵庫、その前には手術台もあったりして、その色合いも相まって「あれ、ビクターのラボ?」とデジャブにとらわれた人も少なくないはず。そうしたファン心理を見越してなのか、2幕最初、ダニエルがアンダーソンとモンローを連れて研究室を訪れ、「ジャック」の復活について話をする下り、自分がここで臓器移植を試みていることを二人に話す部分で(生命を創造しようとする)「フランケンシュタイン博士のように」とか「神と対峙し戦う(しんくゎまっそさうん)」とか、「ね、ねらってるでしょ、それ」という台詞が挿入されておりました。「神と・・」のくだりでは、観客席の気圧が高まりましたよ、微妙に。ありがとう、エムミュージカルアート(「ジャック・ザ・リッパー」の制作会社)!次回再演ではカイビクターもありかも、と期待を寄せてよいのでしょうか、ワン&イ先生!
ミュージカル「フランケンシュタイン」を見ておられぬ方に解説しておきますと。韓国の創作ミュージカル「フランケンシュタイン」、2017年1月に日本キャストでも公演があるこの作品。ここに「生命の創造の歴史が始まる」というビクター・フランケンシュタインが、生命を創造しようとする意志を歌う曲がありまして。歌詞に「しんくゎまっそさうん・なぬん・ぷらんけんしゅたいん(神と戦う私はフランケンシュタイン)」という部分があるのです。そして「ジャック」のダニエル同様、「新鮮な死体」をさがしまわっているキャラクターでもある。
「フランケンシュタイン」2014年初演、イ・ゴンミョンさん版で2分8秒くらいのところにそのセリフがございますので、ご確認くださいませ。ちなみに、この曲には今回アンダーソン役をつとめたパク・ソンファンさんが歌うガイド版というのがありまして(뮤지컬 프랑켄슈타인 가이드곡(박성환氏 버전))。こちらのキャスティングにも期待が高まっております。
「ジャック・ザ・リッパー」のこうしたお遊びがジョンハン先生(まさに2014年版のビクター)や、オム・ギジュンさんにもあるのかどうか。気になるところです。