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ミュージカル「グランドホテル」RED&GREENの感想 その2-男爵対決

大千秋楽を迎えたミュージカル「グランドホテル」RED&GREEN、時すでに遅しという感も否めませんが見てきました報告の続きです。ええ、あれで終わりではなかったのです・・。今回はグランドホテルに集うメンバーの一人、男爵の魅力について語ってみたいと思います。

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(ブロードウェイキャスト版グランドホテルのCDジャケット。Amazon.comではMP3にて10ドル弱でダウンロードできるようです。問題はAmazon.comからダウンロードする手続きが面倒であるとうことでしょうか)。

グランドホテルに集うメンバー中、グルシンスカヤ(引退ツアーを8回もしている落ち目のバレリーナ)だけでなく、観客席の女性群をも魅了する色男代表ガイゲルン男爵。REDでは伊礼彼方さんが、GREENでは宮原浩暢さんが演じられています。今回が初ミュージカルと思えないほど、セリフの間といい、歌の完成度といい素晴らしい男爵でした。ノーブルで、悪いことのできなさそうなキャラ。一方伊礼さんは、甘いマスクと身のこなし、隠した弱さが引き金になって、なんかとんでもないことをやらかしてしまいそうな危うさもあったりして。どちらも甲乙つけがたい。

とはいえ、どちらも魅力的ではあるのですが、それぞれキャラが違うんだなーとおもったのは、男爵がグルシンスカヤの持つダイヤのネックレスを盗みに部屋に忍び込んだところを、戻ってきた彼女に見つけられてしまったシーンからの展開。

ここで、男爵はとっさにグルシンスカヤの熱烈なファンであり、部屋に入ったのは、あなたと同じ空気を吸いたかったからなのだ、とかなんとか言い訳する。そして、グルシンスカヤに愛をささやく「Love Can't Happen」が歌われることになるのですが。

伊礼さんの男爵、歌の中で愛を叫んでいるにもかかわらず、グルシンスカヤをだましているように見えませんでした?悪いやつだなーって、思いませんでした?私だけ?

宮原男爵は、グルシンスカヤを見た瞬間、ネックレスを盗もうとしていた自分のことなんか忘れてしまって、彼女に魅せられてしまった。盗みにはいったのは事実であるにもかかわらず、泥棒だと誤解されたくない一心で、彼女に自分の気持ちを訴え、ここ一発と愛を熱く語るムチャ展開。にもかかわらず、いつの間にかぐいぐい押して、本当に切実な告白になってしまっているという男子力(?)を見せつけてくれるのです。

でも伊礼男爵はもっと危険なヤツ・・というべきなのか、むしろ純粋というべきなのか。とりあえず盗みに入ったことを隠さなきゃ!と焦りつつも、とりあえず口説いておいた方がいいんじゃね?と本能がささやいたので、本能のおもむくままに行動しちゃったよ、というような。グルシンスカヤと結ばれたのち、口から適当にでまかせでいったことが自分の中で真実になってしまい、愛があふれてどうしよう!ってうろたえているように見えました(妄想ですよ)。

いやー、どっちも乙女のドリームな男性なことは間違いございません。ただしイケメンに限る(古い?)展開だとは思いますけどねー。伊礼男爵のほうが人間くさい気もいたします。さっきまで盗みにはいっていたのに、いきなりラブ全開ってのも、ねえ。まあ、男爵のお相手を務められるグルシンスカヤ様がどなたであるかも、そのキャラを浮かび上がらせたり曖昧にさせたりするものではあるとおもいますが。ね、ねぇ・・。

あと、宮原男爵に一言。「Love Can't Happen」の最後、以下の映像2分30秒くらいのところからの「あーいー、がー」の「がー」の部分ですが。

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あと、一息、長くひっぱってほしかったー。(韓国ミュージカル耳だと、あともうちょっとほしい!)