韓国ミュージカル☆ライフ

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若返った、ミュージカル『三銃士』2016年版‐カイ(KAI)はだからこそ苦悩?

ついにやってきたゴールデンウイーク。みなさま観劇ツアーの予定を決められましたでしょうか。この時期、熱く推薦したい作品『三銃士』について、さらにしつこく語ってみたい。わたくしは今、ゴールデンウイークに仕事が入った絶望感でいっぱいです。

さて、2016年版『三銃士』は、キャストが若返ったことが盛んに指摘されておりますね。日本にもやってきたゴールデンメンバー、オム・ギジュンなダルタニャン、ユ・ジュンサンあるいはシン・ソンウなアトスで、キム・ボムレポルトスの、ミン・ヨンギアラミス。2009年の初演から、2014年まで、このメンバーズで戦ってこられたオルシン達です。不惑を迎えたり、そこを越えてゆかれた方々であらせられるという・・(もちろん、追加キャストはさまざまにおられましたよ)。

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(おじさまたちの若さあふれる『三銃士』2014年版、韓日同時公演!とある)

このメンバーでも再度『三銃士』が見たい気持ちはある。オム・ギジュンの「少年ダルタニャン」、客いじりの熟成具合が最高に素晴らしかったと記憶しておりまする。(若くない)『ウェルテル』もよかったなあ・・。オム・ギジュンさんのキュートさに関しては、いずれまとめて語るとして。

さて、ゴールデンメンバーズのオルシン達はのきなみ1960年代から70年代生まれですが、今回のメンバーはきらめく1980年代生まれたち。いきなりの若返りです。ダルタニャンたちに至っては1990年代生まれですよ!みんな民主化後の生まれ・・カイ君を除いて。

これまで『三銃士』を見てきた観客にとって、カイ・ダルタニャンでも十分ぴっちぴちなのでまったく問題(?)を感じないのですが。むしろ「わっはっは」シーンとか、若々しくて落ち着かないくらい。が、カイ君はほかのダルとの年齢差を結構気にしておられる様子です。

韓国のミュージカル専門誌『The Musical』(4月号)でカイ・ダルタニャンのインタビューがあり、その追加記事がネット上にアップされておりました。そこでカイくんは、ほかの20代メンバーは若く、彼らが持っているイメージそのものがまずもってキャラに似合っているので、ダルタニャンのキャラを作りこまなくても十分にかわいいと認識しているようです。しかも、自分がアトス役の役者さんよりも「兄貴」である点も気にしている。つまり、アトスたちを「憧れの銃士」と仰ぎ見るダルタニャン少年をいかにつくっていくか、というのを相当意識したみたい。

基本方針は基礎的な演技と歌の技術をきっちり踏まえつつ、原作に最も近い王道のダルタニャンを目指す!というスタイルなのだとか。過剰に真面目であるからこそ、笑えてしまうキャラクターというのが彼のダルタニャンの見立て。確かに、無駄に熱血で暑苦しいダルタニャンでした。落ち着けよ、お前!と言いたくなるような。でもそれが、作品の少年マンガっぽさにとってもマッチしてた。いや、正解ですよ、カイさん。

というわけで、キャスト年齢の変化とカイさんの心意気を踏まえ、私が出した結論としましては。今回の『三銃士』は、1回目、カイ・ダルタニャンで王道ミュージカル・基本形ダルタニャンを確認し、その後、B1A4のシヌゥやサンドゥル、ZE:A ヒョンシクの個性が表れたダルタニャンを見に行くと、それぞれの違いがより楽しめていいのではなかろうか、というものです。問題は、1回目以降、次、いつ行けるのか、という話なんですが。

『The Musical』記事はこちら

http://www.themusical.co.kr/Pick/Detail?enc_num=aLXimA0zvTrkVpvZc%2BE7dQ%3D%3D