ミュージカル『星の王子さま(어린왕자)』見て来たよ―心浄化されるひとときを
HJカルチャーが送る「朗読ミュージカル*1」シリーズの、ミュージカル『星の王子さま(어린왕자)』が2019年3月8日~4月7日までYESステージ1館(旧デミョン文化工場1館)にて上演中でございます。2018年の初演後すぐの再演となった本公演。見て来たキャストはこちら。
サン=テグジュペリ:チョン・ドンファ
コーラス:キム・リ
サン=テグジュペリと一緒に心の旅路
基本的に物語は『星の王子さま』そのままです。サン=テグジュペリが飛行機が故障し、砂漠に不時着して水を求めてさまよった経験を、原稿にしたためるところから物語は始まります。大人には帽子にしか見えない象を飲み込んだ蛇のイラストなどは、スクリーン上に映し出される仕組み。王子さまが大事にしているバラの花や、離れがたい友達となった狐(カワイイ・・)も出てきますが、3人ミュージカルなので狐はパペット、バラもフツーの造花です。王子さまの衣装が「ぱ、パジャマ?」と思ってもすぐに脳裏から消えていくのでご安心を(たぶん)。
www.youtube.comなんといってもこの作品を見に行く価値は「心あらわれる音楽」。『星の王子さま』の世界観をうまく掬い取った舞台装置は乙女心をくすぐる出来で、そこに清廉なるハーモニーが響きわたった日にはあなた。各々の『星の王子さま』の読書体験がよみがえり、そこに垣間見た孤独と、それでも他者とかかわっていくことの持つ意味を考えさせられたあのピュアな何かが到来すること間違いなし。日々の中で見えなくなっていたものをもう一度感じてみたい、そんな風に思わせてくれるミュージカルなのです。未読の方は、『星の王子さま』の物語を読んでから行くとより楽しめること間違いなしですよ。
【青空文庫で読めます!】
ちなみに、漫☆画太郎先生の「星の王子さま」(『少年ジャンプ+』集英社)は絶対すべてを終えた後で読んでください。・・いや、これも名作なんですが。もにゃもにゃ。
*1:朗読ミュージカルとは、長い物語を圧縮し、文学作品の朗読劇よりは照明や小道具など演劇的要素を加味することで緊密感を付け加える形式でのミュージカル。HJカルチャーが企画している