演劇「スルース」(2017年、韓国キャスト)-チョン・ドンファ、チョン・ウクジンペア再び!

韓国ミュージカルライフと名うったこのブログではございますが、今回は演劇編とまいりましょう。2017年6月2日~7月23日までデミョン文化工場2館にて上演されました、演劇「スルース」。ミュージカル「スリルミー」10周年ロスから立ち直るべく、チョン・ドンファ、チョンウクジン、いわゆるコッ・ニュペアでみてまいりましたよ。歌わないふたりの緊張感あふれるやりとり。ただ残念なのはもうおわっちゃったよ!ということでしょうか。報告がおそくなりもうしわけございませぬ。

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アンドリュー(作家):チョン・ドンファ

マイロ(俳優):チョン・ウクジン

枯れた男と野心的な男?

さて、演劇「スルース」は二人劇。人気推理作家と彼の妻の愛人である俳優が登場人物です。作家に呼ばれた愛人は、豪華な彼の邸宅に招かれる。妻と別れろと言われるのかとおもいきや、そこで作家から提案されたのは、ダイヤを盗んだことにして、その保険金を妻の生活費として持参させるので、ひとつ泥棒を演じてくれないか?というもの。提案も提案だが、売りことばに買いことば、いつのまにか乗せられたのか乗せられたふりをしているうちに本当になってしまったのか。俳優は泥棒を演じることに。しかし演じていたはずの「泥棒」という役回り、いつのまにか作家は本気で俳優を「泥棒」として扱うようになり、ついには銃口を向けるのだった。

ーーというような、お話なのですが。

 この作品、作家として名声を獲得したが、男性としての輝きや魅力、能力を失いつつある老境の男、アンドリューが、なにも持たないが生命力と男性的魅力にあふれた俳優、マイロに嫉妬し、自らのプライドを守るためにギリギリのところで彼と知恵比べをする、という部分にポイントがあると思われるのですが。しかしですよ。フェロモン垂れ流しのチョン・ドンファさまにその役は無理だろ、とおもわずにはいられない。枯れたオッさんの哀愁は、残念ながらまだ20年は漂いそうにない。いや、20年たっても、ラテンなちょい悪オヤジ(死語)になると思われる。しかしこの作品においてそれは裏目に出てしまうのです。枯れていない「作家」というのは、「俳優」との間に、持つ・持たないの格差をつくることができないわけでして。他方、チョン・ウクジンさん演じる「俳優」マイロは、どちらかといえば好青年系で、怪しい魅力はやや封印されておりました。なぜに封印?・・。なにも持たないハングリーさに裏付けられ、すべてを掛け金とするような、張りつめた男の魅力といいましょうか。そういのとは方向性がことなっていたような。

というわけでこのペア、息はぴったりで途中のアドリブもいい感じ(ピエロの仮装をする下りでは、ムチャブリなどもあり、大爆笑)。このペアの芝居を観たいと思う観客は多いだろうと思うのですが(もちろん私もその一人)、やっぱりこの作品における、二人の緊張感と奇妙な信頼感の醸成・・という設定には、この二人の息はぴったりすぎる気がいたしました。

もうちょっと、スリルミーから間があいてたほうがよかったのかな(見てるほうも)。