読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

速報!ミュージカル「マーダー・バラッド」(日本キャスト版・2016年)みてきたよ-圧縮・凝縮の90分にくらくら!

日本キャストのミュージカル マーダー・バラッド

ミュージカル「マーダー・バラッド」日本キャスト版を見てまいりました。関西で(めずらしく)幕をあげ(2016年11月3日~6日)、東京(2016年11月11日~27日)へと続く本公演。ステージシートあり、しかしバー席なし、(韓国版のような)無限ライブは残念ながらなし!の日本版。とはいえ、濃縮エキスをさらに煮詰めたような(?)超濃ゆーい1幕ノンストップ。見る方も集中を要する90分でございました。

f:id:pokos:20161105194904g:plain

(サラの衣装もセクシー度アップで、歌えるメンバーがガッツリ聞かせるソングスルー!)

なにせ、今回の日本版「マーダー・バラッド」のキャスティング、全員が圧倒的歌唱力。耳福なのは基本設定という贅沢さです。ソングスルー(台詞はなく、すべてが楽曲で物語が進む方式)であるため、登場人物それぞれの台詞がハーモニーをなし、時にぶつかり合いながら歌われる。物語の進行をとらえるためにはその歌詞を聞き逃すわけにはいかないのですが、同時にそれに必死になるにはもったいないグルーブ感。悩ましさ爆発です。リピート必死の作品である所以でしょうか。音楽的にも、演劇的にもとっても楽しい。

さてこの作品、どんなお話なのか。ネタバレしたくない方はこちらのリンクで公式版の予告あらすじ(というのか?)をどうぞ!

ミュージカル★マーダー・バラッド | 天王洲 銀河劇場

はい、でもゲンバではここに書かれているあらすじ以上のことが用意されていますよ。ポイントは、「ついにキングズ・クラブに3人が揃う」とあるので、サラ・トム・マイケル中心の物語として観客はこれを理解しかけるのですが・・「ナレーターが歌う。『クラブ、ダイヤ、スペード、ハート 勝負の決め手は自らの選択と、運命!』」とあるのがミソ。そう、カードのスートは四つ。そして、キャスティングされている俳優さんも4人!

さて、ネタバレしてもいいよ、という方は以下、超解釈あらすじをどうぞ。

どんなお話なのか?(ネタバレ注意)

 このお話は、ナレーター/バーテンダーという濱田めぐみさん演じる人物がキーとなります。そもそもマーダー・バラッドとは、プログラムブック内の島建さん曰く「アメリカの古いカントリーやフォークソングのジャンルのひとつで、殺人を題材にしたうた」のことらしい。なので、この物語は(たぶん)彼女の歌う「マーダー・バラッド」なのです。彼女が歌いだすことで、このミュージカルは始まります。

まず、サラとトムの出会いとアツイ恋が語られていく。舞台上のテーブルやバーカウンターが通路になったりベッドになったりしつつ、彼らの無邪気な(性)愛が表現されます。この辺、セクシービーム発射オーラーい!な勢いで進みますので、覚悟のほどを。というか、全編ビーム出まくりですのでご注意を。

しかしサラとトムの若すぎた二人の恋結末は破局。ぐでんぐでんに酔っぱらった傷心のサラは、草食系文系男子のマイケルと偶然出会います。素朴な恋そして結婚、可愛い娘の誕生。ダウンタウンの生活からアッパーサイドの奥様におさまることになったサラ。娘のフランキーはかわいいしマイケルは優しい。でも少しづつその平凡な幸せの日々に退屈していくのです。よくある話だねー。

そして、やはりそう来たトムとの再会。再び燃え上がるアツイ恋。あっちっちー。刺激バンザーイ。しかし次第に冷静さを取り戻すサラ。再度マイケルとの日常に戻ろうとしたサラを、トムは強引に引き留めます。というか、別れるくらいなら、旦那にばらしてやる状態に。やべー、サラピンチ。ついにマイケルにも浮気がばれ、嫉妬に狂う旦那。さらにピンチ追加。3人の関係は超緊張、厳戒態勢に。誰が誰を殺してもおかしくない状態で、彼らは会いまみえることとなりまして。そして、そこでトムは殺されるのですが。はたして誰に?(・・・いっちゃいますよ)。

ーーーそれは、ナレーターに!

えええええーっ。まさかの緊張状態にあったのは「三人」じゃなかったのか展開。

そう、彼女はナレーターとして物語を進行するためだけに「マーダー・バラッド」を語り、時に登場人物と「シンクロしつつ」歌っていたのではなかったのです。彼女は「バーテンダー」としてこの3人とともに物語の時間内に「生きて」いて、サラと別れた後トムと情をかわした女性として物語に関与していたのです。・・・ということが最後の最後にきて明らかになる!って、気づかないよ!

そう、このミュージカルで「ナレーターが語るマーダー・バラッド」には、「サラとトムとマイケルの三角関係」という物語と「トムとバーテンダーの恋」として読み取れる物語が共存していたのです。物語のフレームが重層していたことが、最後の殺人シーンによってむき出しになる。このシナリオ凝ってるなー、と思わされる部分です。

と、まあえらく自信たっぷりに書きましたが。上記の「あらすじ」は私がそうおもったというだけなので。ナレーターの役割解釈に関しては、ほかの考え方もあるやもしれません。そういう意味で、いろいろと楽しめる作品なのです・・・ということで。

 

これについても、まだまだ語りたいことはある・・ので、(たぶんこれも)続く!