韓国ミュージカル☆ライフ

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ミュージカル「オール・シュック・アップ」-チェ・ウヒョク君のコメディ演技は?

さてさて、大学路にある弘益大学大学路アートセンターにて絶賛上演中の「ALL SHOOK UPオール・シュック・アップ」、千秋楽は2016年8月28日。そろそろ見ておきたいところでございます。同じワン・ヨンボム、イ・ソンジュンペアが参加されていても「ジャック・ザ・リッパー」とは真逆の超能天気ミュージカル。悲劇と喜劇を両方楽しみたいあなたに、マチネ・ソワレをおすすめです。どっちを先にするか・・それが問題ですが。では、感想続きいってみよー!

踊るチェ・ウヒョクくんを見よう!

このミュージカルの見どころの一つに、主人公エルビスの「腰ふりダンス」があることは間違いございますまい(え、間違ってる?)。腰をふりふりして発せられたフェロモンが、エルビスの魅力を表現する一手段となっております。作品中には、ほかにもダンスシーンが多数あり、ロッケンローの気分を盛り上げます。

私は今回、チェ・ウヒョク君のエルビスを見てまいりましたが、ウヒョク君も踊る・踊る!ロックに腰を振りまくります。ミュージカル「フランケンシュタイン」の伝説の酒場シーンにおいて、ミュージカル界の帝王や王子がカカシのような動きを披露してくださったのに対し、ウヒョク君は「踊っているということが理解可能だ」と皆を感動させたものであります(期待値、低っ!)。そして今回(それでも、ややぎこちなさがないわけではないけど)その能力をさらに向上させ、歌い、踊る姿を見せてくれたのでした。

この踊りの効果はなかなかで、1 幕はじめの登場シーンでは、エルビスのわりに「表情が硬いなー」という印象だったのですが。体がほぐれてくるのか、芸達者な回りの役者さんたちに支えられることで、エルビスのキャラクターがしだいに浮かび上がってまいりました。

2幕後半、ナタリー扮するエドに恋しちゃって「どうしよう!(禁断の恋??)」とあわてるくだりなどはとってもキュート。演出でわざわざ「レインボー」なライトがあたり(をいをい)、ちょっとオネエキャラになったりするあたりでは、本人が楽しんでる様子が伝わってきます。

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(カーテンコールは撮影可能。ギターをもっていても、誰一人コードを押さえていると思えない。でもノリノリ)。

コメディの呼吸

今回「オール・シュック・アップ」を見て実感したのは、ウヒョク君ってこれが二作目なんだよな、ということ。前作「フランケンシュタイン」の怪物役は作品がドラマチックな悲劇であったため、歌に感情をガーッとこめ、のめりこんでいくような演技が求められたのだと思いますが。コメディはそれだけでは成り立たない。周りとの呼吸や、感情を入れる部分の強弱をふまえて、全体を見る視点が必要なのかもな、と思いました。ウヒョク君は舞台全体を見渡し、各キャラを調整して盛り上げる、と言うようなところにまでは至っていない模様(まあ、2作目ですからね)。しかしその分、周りの人たちが呼吸を合わせながら教えてくれることを、一生懸命吸収しようとしていたようにも見えました。

とりあえず脚本がノリノリのおバカコメディなので、最後はどれだけハメを外せるかが勝負でもあります。その意味で、ちょっとづつ「開いて」いくウヒョク君の初々しさを、楽しめるのはまさに今、なのではないでしょうか。