韓国ミュージカル☆ライフ

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大学路観劇前グルメ(その1)-暑さ吹き飛ぶ、菊秀家(국수가)のコンククスはいかが?

みなさま、夏の観劇計画はたてておられますでしょうか?大劇場系のミュージカル、上演時間170分!をマチネ・ソワレ連続で見る土日というのは最高に幸せでもあり、また同時に、幸福受容体の容量不足によるためなのか、脳がパンクしそうになったりもする。これは何かの修行だっけ?と思いつつ、エコノミークラス症候群になるかとおもうほど足がむくんだりして。

そんなとき、鑑賞プランに加えたいのが大学路の演劇ではないでしょうか。一幕ものの上演時間100分程度という手ごろな作品が多く(そして価格も手ごろ)、劇場も大きすぎないので作品が作り出す一体感が、大劇場とはまた別の楽しさを提供してくれます。

で、大学路でお芝居を見ることになったときにおススメしてみたい1人飯(しかも開演時間を気にしての食事)シリーズ(なのか!)を考えてみました。今回取り上げるのは「菊秀家(국수가)」というスジェビ(韓国のすいとん)とククス(韓国の細いうどんのような麺)のお店です。

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(アルコやユニプレックスからも近いマロニエ公演の裏のほう)

このお店はもともと「三色エゴマすいとん(サムセクトゥルケスジェビ)」を紹介されることが多く、これが看板・人気メニューなのだと思われます。でも、バジラクカルククス(あさりのカルククス)などもおいしく、さくっと食べられるお手軽さもありがたいお店。昔はもっと安かったのですが、いつの間にか5000ウオンを超えるメニューばかりとなってまいりました。ソウルの物価上昇は天井知らず。しかし店内が劇的に美しくなった様子はありません。そこらへんは現状維持。

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(おにぎり8個はテイクアウトだと4000ウオン。お店で食べる価格から1000ウオンもアップ?数がふえてるのか?と動揺してしまうメニュー表。中国語・日本語付で安心)

おススメしたいのはコレ!

この、「三色スジェビ」を押さえて今回紹介したいのは、「コンククス콩국수」。大豆のすりおろし汁(?)をスープとした、冷たいククスです。どこのお店でも、おおよそ夏場にしか登場しないこのメニュー。韓国の夏の風物詩といえましょう。しかし夏になると、ククス屋はもとより、粉食(プンシク、海苔巻きやトッポッキなど手軽なスナックを売る店)屋、中華料理屋など麺を扱う店に軒並み登場する。暑い日の冷麺もいいのですが、こちらも結構おススメ。お店によっては牛乳や豆乳、ピーナツを混ぜたりして味を強化(?)するらしい。「菊秀家」では、黒ごまがはいっておりました。

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(スープはどろっとしており豆腐の溶けこんだ豆乳といった風情)

このコンククス、店によってはあらかじめ塩気をたしているところもあるのですが、あまり味がついていないように感じるものが多い。菊秀家のスープも塩見をほとんど感じません。しかし、お店の人にお塩をもらう前に、出てきたキムチをほおばって、その後このドロリとしたスープを口にふくんでみてください。すると、あーらふしぎ。ちょうどよい感じでキムチがマイルド化し、スープに適度の塩気が移るではございませんか。このハーモニーこそ、コンククスの醍醐味です。もちろん、コンククスに塩をたして、自らこの一品を完成させることもできます(そうしたほうがおいしいお店もある)。上に載ったキュウリとニンジンがシャキシャキ・ポリポリと歯ごたえを与えてくれ、どちらかといえば柔らかい麺に変化をつけてくれるのもよい。

お椀のスープを飲み干したころには(いや、すべて飲み干すのは苦しいかも)、体のほてりが引いているのを感じられるとおもわれます。大豆は身体を冷やす食べ物ですからね。

そもそもコンククスとは?

コンククスは高麗時代くらいには存在したと推測されているのだとか(ハンギョレ新聞2013年7月24日記事「コンククスのはじめと終わり、大豆を正しくゆでる」より)韓国伝統の一品なのでございます。

朝鮮王朝時代には、両班が松の実をすりつぶしてククスのスープにしていたが、庶民には松の実は高価であったため、その代替物として大豆がもちいられたという説もあるようです。精進料理でもタンパク質不足を補うために用いられたりもするそうな。地方(全羅道方面)によっては、砂糖を入れて食べることもあるなど、地方色も豊か(ナムWikiコンククスより)。

このように長く韓国の庶民たちに愛されてきた一品なのですが。にもかかわらず、冷麺とは異なりはずれを引くと「もんのすっごくまずい!」という大きな欠点がある、射幸性の高い食品なのです。なぜ長い歴史の中でまずいコンククスが淘汰されていないのかが謎なんですがね。スープが薄すぎたり、味がしないにもほどがあったり(大豆の風味すらない)。冷麺だとはずれクジでも「スーパーで売ってる冷麺セットの味」で底が見えるのですが。さらに、大豆がよくないとおなかを壊しやすいリスクもあり、冷麺以上におなかを気遣う必要が高い気もします(あくまで当社比)。コンククスの闇は深い・・。いや、菊秀家のコンククスはおススメですので!

 

お店への行き方はこちら

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(4号線恵化(へふぁ)駅2番出口をでて、アルコ劇場を左に見つつマロニエ公園を抜けて、さらにまっすぐ歩き、道を突き当たったところで右手に見えてきます)

菊秀家の地図・行き方|大学路・城北洞(ソウル)のグルメ・レストラン|韓国旅行「コネスト」