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ミュージカル「モーツァルト!」あらぬ方向への予習(続)-最近の学習マンガって面白い

ミュージカル「モーツァルト!」の千秋楽が来月初めに迫ってまいりました。もうそろそろ見に行っておきたいところです。もやもやは募るばかり。この渦巻くものをぶつける先はないかと本屋を徘徊しておりましたところ・・。ふと目にしたのが「学習まんが」シリーズの一冊「モーツァルト!」(いや、「!」はなかった)。

近年の学習まんがは、古き良き時代の「学研の恐竜の秘密」みたいなころころっとした絵柄ではありません。イケメン化も甚だしい進化を遂げておるではありませぬか。

モーツァルト (学習まんが 世界の伝記NEXT)

モーツァルト (学習まんが 世界の伝記NEXT)

 

 (集英社のページからは、試し読みもできますモーツァルト|集英社版・学習漫画 世界の伝記NEXT | 集英社の児童図書 S-KIDS.LAND

試し読みページから読んでいただけるとわかると思いますが、大人も読める少女マンガです。すでに。なんでもこの「世界の伝記NEXTシリーズ」のポイントは

1)ドラマチックなまんがで共感できるからわかる

2)初めて読む子どもたちのための「伝記」だから読みやすい。

3)小学生のうちにかならず知っておくべき人の思いや人生がわかる。

4)定番の偉人を新しい見方で作った新鮮の伝記だから読みやすい

5)くわしい学習ページで、偉人の行ったことが正確にわかる

なのだそうです(表紙見返しページより)。小学生のうちに「モーツァルト」の苦悩を知っておけ!ということですな。確かに、知っておくとのちの人生でミュージカル「モーツァルト!」を見たときに楽しめるに違いない(それだけ?)。

また、「人物相関図」なるものもあり、コロレード大司教=反発しあう、などという解説もある。しかし、ヴァルトシュテッテン男爵夫人は出てきません。残念。

そしてさすがに学習まんが。モーツァルトが生まれた18世紀後半という時代、産業革命がはじまり、貴族から市民へとその権力の中心が移り始めたころ、まさに時代が大きく変化しようとしていたその節目であったことを教えてくれます(小学生向けなので、ざっくりですけれど)。だからこそ、彼の演奏が当初宮廷でもてはやされながら、成人後評価を得にくくなっていく背景も見えてくる。彼に評価を与えた貴族たちの文化は、度重なる戦争をへて失われつつあったのです。またその一方で、次第に音楽を受容する層が貴族から一般市民へと移っていき、モーツァルトのオペラを評価する大衆が生まれてくる様子も描かれています。

また、子供時代の演奏旅行が、彼の音楽に与えた影響にもふれられていました。特に、子どものころロンドンを訪れたことで、バッハに師事できたこと、そして彼の影響でオペラに魅せられたこと。さらに、チェンバロではなくピアノに触れる機会に恵まれたことなどの説明付。ピアノという新しいテクノロジーが、彼の音楽を変化させた可能性を推測させます。

子ども目線で編集されているため、128ページ(解説込み)の60ページが子ども時代というバランス感覚に目をつむれば、かなり面白く読めました。裏表紙の裏には「モーツァルト検定」付で知識の定着確認までできる。すごい、すごすぎるよ学習まんが!

ところでこのNEXTシリーズで取り上げられている「偉人」。ラインナップがぶっ飛んでいます。もちろん、ナイチンゲールアンネ・フランクもエントリー。しかし、オードリ・ヘップバーンとか、スティーブ・ジョブズも並んでいらっしゃる。つか、ターシャ・テューダも「小学生のうちにかならずしっておくべき」人なのか?なぞ。