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「ヘドウィグ-ニュー・メイクアップ」見てきたよ!(後編)-チョ・ジョンソクさんについて語っておこう

ヘドウィグ

大変ながらくお待たせいたしました。いや、お待ちになっておられた方はいらっしゃらないやもしれませんが。ミュージカル「ヘドウィグ ニュー・メイクアップ」韓国版の感想続き編。いまさらチョ・ジョンソクさん版について。今週末に千秋楽を迎えるソウル公演ののち、水原(スウォン)公演も残っておりますが。チョ・ジョンソクさんのヘドウィグは先週末に楽を迎えてしまいました・・!最後は熾烈な「血ケッティング」戦争が繰り広げられたようです。

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(その透けるような色白肌のため、ポドウィグとも呼ばれる、チョ・ジョンソクさん)

どの席からも楽しめる!

さて、チョ・ジョンソクさんバージョンのヘドウィグ。最初はおなじみのジュディオング式羽ばたけそう衣装で登場。ばっさばっさと翼(?)を振り回し、しょっぱなからみんなを魅了してくれました。この作品、やはり1階の盛り上がりが最大で、2階席はややとりのこされ感が生まれがちなのですが。ポドウィグはかなり気を使い「2階席のみんなも見えるかな?」的なふりが随所にちりばめられておりました。2階席の方々も、これに熱く答えておられました。

舞台正面のスクリーンに「The Origin of Love」のアニメーションや、新聞記事などはもちろん、客席によって見えにくくなるようなシーンが映し出されるのもありがたかった。1階客席を通って登場するヘドウィグの姿や彼の表情もばっちり。さらには、舞台セットの車のボンネットを開けると中にセットされたカメラがあるのですが、シーンによっては彼のおしりと映像に映し出された彼の表情が同時にたのしめたりもする仕掛け。工夫された舞台と気遣いで、全方位的楽しみがいかんなく発揮されておりました。・・でもできることなら1階席のほうがいいと思う。

ポドウィグ降臨

ミュージカル「ヘドウィグ」では舞台中何度か衣装替えがあります。特に「おお!」と思ったのは、途中、ナイトガウンを着て登場、静かに過去を語りだすシーン。ここ、思わず吸い込まれるかとおもいましたよ。ブラックホール警報発令でした。

ナイトガウンはピンクでふちに白いふわふわした羽毛のようなものがついているキュートな代物なのですが。通常一般男子には似合わないと思われる一品。が。さすがポドウィグ。色白の魔力。ピンクがあれほど似合うのはチョ・ジョンソクさんと林家ペーさんくらいではなかろうか(意味不明)。神々しいくらいの女神っぷりでした。ナイトガウンの裾から除く足の逞しさをみて、はっ、と我に返った方も多いはず。

気持ち悪さと意地悪さと

このようにチョ・ジョンソクさんのヘドウィグはなんだかとっても居心地の良いオンニの舞台でした。しかもとっても美人な。・・・なのですが、ヘドウィグってもっと底意地が悪そうで、不安定でいつもイライラしているキャラクターなほうがいいのではと思ってしまう。美しいなかにどこか気持ち悪さが、醜さのなかに純粋さがあるような、まさに「境界」の人。だからこそ、最後に、彼が男でも女でもなく、またそのすべてでもあるような「自分」になるわけで。この設定を生かすためには、チョ・ジョンソクさんのヘドウィグはステキすぎるのです!カオス感がやや薄かったかなーというのが正直な感想。

美しすぎ、そして最後はかっこよすぎ(男前すぎ)るヘドウィグ。男・女の境界が明確に見えてしまうからこそ、それらが統合されるとは思えず、「男である自分をとりもどした」感がぬぐえなかった。男-女、そして男へと移動したキャラクターに見えてしまいました。というか、私個人の、チョ・ジョンソクという俳優への思い入れの強さが、無駄に読み込まれてしまったのかもしれませんが。

しかしこのことによって、「男としての自分」を取り戻してしまったが故に、(トミーという)「半身」を、のぞんだようには得ることはできず、「半身」のまま生きていくことを受け入れ、そこに「自分」を見出したのだ・・というような印象も生まれます。だからこそ、喪失の悲しみが背中にただよう最後のシーンは、やはりグッと来た。

ともあれ、チョ・ジョンソクさんを堪能でき、至福の時を過ごせました。OST(公演場でしか購入できないようですが)も発売されたことですし、しばらくはポドウィグから離れられそうにありません!

 (感想の前編はこちら)

pokos.hatenablog.com