韓国ミュージカル☆ライフ

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ミュージカル「スウィーニートッド」予習(復習?)編-フリートストリートにパイ屋はあるのか?

日本版「スウィーニー・トッド」は名古屋で千秋楽を迎えました。来月からは韓国で「スウィーニー・トッド」がいよいよのスタートです。というわけで、復習(復讐ではなく・・)かつ予習編として、このミュージカルの舞台となったロンドンの街角に目を向けてみたいと思います。ミュージカル「スウィーニートッド」では、スウィニー・トッドの理髪店と、ミセス・ラヴェットのパイ屋が重要な役割を果たします。メインテーマとなる楽曲 では、理髪店がフリートストリートにある、と歌われもするのですが。はたして現実のフリードストリートに、パイ屋らしきものはあるのかな?というのが今回 のテーマ。

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グーグル先生とロンドン旅行

まずは妄想旅行の友、グーグル先生を召喚。「グーグル先生、グーグル先生、フリート街ってどこですか」。クリック!

「お前がさがしているのは、ここかね?」グーグル先生は答えた。

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「あれ、予想外に大きい通りですね。ちょっと歩き回ってみましょう」

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「どこまでいっても、結構大きい通りですね・・」

グーグル先生の教えにしたがって、フリートストリートに人形(アイコン)を歩かせてくまなく目を光らせてみましたが。

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スターバックスだのマクドナルドだのポール(パン屋)はあるけど、パイ屋はなさそう。あ、バスが通る。

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ロンドン名物二階建てバスがかなり映り込んでおり、けっこう大きな通りであることもわかります。でもそんなに長くない通りのようですね。なんでも、1980年代にそれらが移転するまで、出版社や新聞社が軒を連ねていたエリアであったとか。『デジタル大泉林』にも新聞街と説明されています。

ミュージカルの舞台セットでは薄汚れた路地のイメージでしたが。あらためて、ミュージカル「スウィーニー・トッド」の時代設定をみなおしてみることといたしましょう。なになに、舞台は「1846年、産業革命期のロンドン(日本版パンフレットより)」とある。あれ、公式ホームページのストーリー紹介では「舞台は18世紀末のロンドン」となっておりますね。1800年代は19世紀。そして産業革命は18世紀後半スタートかなーと思わなくもないのですが。えー、まあいいか。だいたい18世紀末から19世紀半ばまでのどこかの時代のお話、ということにしておきましょう。いずれにせよ、都市伝説みたいなものらしいので。

では、19世紀末くらいのフリートストリートは・・というと。BBCの子ども向け歴史お勉強サイトに1894年のフリートストリートの様子が掲載されています。

http://downloads.bbc.co.uk/rmhttp/schools/primaryhistory/images/victorian_britain/introduction/v_fleet_st_1894.jpg

BBC - Primary History - Victorian Britain - An introduction

 馬車が行きかう活気ある街角という風情ですね。スラムっぽいイメージのある舞台とはやや異なる様子。

また、歴史はローマ時代に遡ることのできる由緒正しき(?)通りらしく、中世には聖職者が周辺に住み、居酒屋や売春宿などもこの通り沿いにつくられるようになったのだとか。16世紀には印刷や出版業で栄えていきます。

文人たちが集うエリアにもなったようで。ディケンズも『二都物語』に登場するテルソン銀行(架空の銀行)を、フリートストリートに存在するものとして描いていました。どうやらこの通りには、コーヒーハウスやパブなどが集まっており、栄えていたようで。現在もイギリス最古のパブ、1538年創業の「イー・オールド・チェシャー・チーズ」が営業中。この建物はロンドン大火で燃えてしまったようですが、その後再建され、1667年からそこにある。ディケンズの肖像ががかかっている「ディケンズの間」もあるようです(って、「二都物語」の予習みたいになってきましたが)。

パイ屋はここにあった、という主張が

さて、「ミセス・ラヴェットのパイ屋」はこの通りに存在しないのですが。うちの店の地下道と貯蔵庫は「フリート街の悪名高い悪魔の理髪師、スウィーニートッドが残虐な行為をおこなった場所だといわれているよ、あのパイでも有名な・・」と名乗り出ている店がございました。おお、そう来なくては。そのお店が以下の「旧イングランド銀行The Old Bank of England」というパブです。

www.oldbankofengland.co.uk

このパブでは、うちはトッドの理髪店とミセス・ラヴェットのパイ屋の間にあったとも主張しています(パイ屋と理髪店は並びの店だったのか!お肉製造落下椅子いりませんね)。いや、トッドの話は都市伝説だから、口裂け女のお家はここ、というのとほぼ同じだから、というツッコミはおいておいて。

Food&Drinkのページでは、「真のロンドンの味、おいしい手作りパイを専門としています」とまで言っておられまして。パイを手作りする様子まで見ることができます(普通においしそう)。人肉パイでさえなければ、まあ、問題ないでしょう・・。

www.tripadvisor.co.ukトリップアドバイザーにも記事がでておりました。

以上、パイ屋探索終了。