韓国ミュージカル☆ライフ

韓国ミュージカルを楽しみつくすブログ

リュ・ジョンハン先生を紹介します-勝手に「私の履歴書」

韓国ミュージカル界の皇帝、初演専門俳優、大劇場男性ワントップ主人公専門などの異名をとるリュ・ジョンハン俳優(ペウ)。あらためて、リュ・ジョンハンさんの経歴を紹介してみたいと思います。最近韓国ミュージカルを見始めた、という方々にもぜひお勧めしたい俳優さんの一人です。個人的には、ワイルドホーンさんの楽曲と相性の良いお声をしていらっしゃるなーと思っております。ワイルドホーンさんもそう思っているみたいですが(どこから目線だ)。

でもって、リュ・ジョンハンさんをここではリュ・ジョンハン先生とお呼びしたい(下記にもふれますが「オルシン」とすべきかもしれませんが、日本語には対応する適当な呼称がないですからねー)。

f:id:pokos:20160422093406g:plain

(この写真もナムWikiよりお借りしました)

今回、先生紹介の元ネタさがしのために、韓国のオタク系Wikiである、「ナムWiki」を中心に利用しました。ここの記事に基づきつつ、わたしが面白いとおもった内容を独断と偏見で選び、超訳しつつ「履歴書」として再構成しております。そもそもこのナムWiki、「つっこみ」を含めた記述が特徴で面白いのです。いずれ、このサイトそれ自体についても取り上げてみたいと思います(それって韓国ミュージカルと関係あるのか問題はおいておきまして)。では、いってみよー。

◇簡単なプロフィール◇

名前:リュ・ジョンハン 류정한

リュ・ジョンファンと間違う記者やブロガーが多いが、ファンではない、ハンである!注意が必要。ジョンのスペルにも注意、と、書かれている。

生年月日:1971年1月10日生まれ
身長:176センチ

180越えの巨人が多い韓国ミュージカル界にあってはちびっことさえいえるかもしれませんが・・。舞台に立つとなぜか身長以上に大きく見えます

血液型:O型
学歴:ソウル大学声楽科出身

最初の「ソウル大出身」ミュージカル俳優らしい。

デビュー:1997年ミュージカル「ウエストサイド・ストーリー」

デビュー以来15年近く舞台にのみ出演したが、2011年に映画「素敵な人生」に出演、この記録はストップする

受賞歴:2007年第13回韓国ミュージカル対象主演男優賞

2012年にドラマ「ラブアゲイン」に出演するも、ミュージカル俳優としてのネームバリューや演技力向上の助けにはならなかったとされる。この、「ラブアゲイン」出演は、ファンの間ではかなり評判がよろしくないようです。

◇リュ・ジョンハン伝説◇

リュ・ジョンハンは韓国ミュージカル界のプライドであり、韓国ミュージカル界でもっとも口が大きな俳優であるとされている(後者は冗談ですよ)。ミュージカル俳優の長きにわたる経歴による渋みと実力、舞台を掌握するその力量はミュージカル中毒者の信頼も厚く、彼のパフォーマンスを見て蟻地獄にはまったとするものも少なくない。特に、貴族などエリートイメージの役をやらせたらピカ一。

ただ、高音部分で音をはずすことが多いのも確か。重低音域で優れた声量と美声がハーモニーをなすが、高音域では音が上がるにつれ相対的に声が弱くなり、揺れが生じる。だが、本人は高音域を歌うのも好きであるらしく、ファンをハラハラさせる傾向にあるという。

とはいえ、小劇場でマイクが故障したにもかかわらず生声でカバーしたという「伝説」もあるほど豊かな声量、魅力的な音色、感情の乗せ方、ステージ感覚はさすが。不安定さは別としても音域も非常に広い。音をはずしたかに見えてもそれを演技に転換しちゃうようなテクももっている(この例として「モンテクリスト」があがっています)。

ただ、致命的弱点として、淡々としたトーンのロマンス演技が苦手とされる。あと、(ミュージカル「フランケンシュタイン」をご覧になったかたには同意いただけるのではとおもわれますが)ダンスの実力も非常に残念なものである。

◇ご老人伝説◇

「アジェ体」を使用することでも有名である(アジェ体とは、おじさんたちのネット上の書き込みにみられる特徴を文体とみなし、名付けた用語。コンマやピリオドを多用し、話が長いがミスタイプも多く読みにくい文体で、おじさんたちの使うタメ口・口調である。ナムWiki別項より)。ファンクラブあての文章をみると、どこの山岳会(あるいは高齢のかたのコミュニティ)ですか、という気分になる。三本指打法。2-3時間かけて書いた文章を消しちゃったなど、情弱っぽい性質をおもちらしい。しかし、最近カカオにつなげることに成功したという逸話も?

また、「エリザベート」初演時に出演していた子役俳優タン・ジュンサンが「ジョンハン兄さん」と呼んだところ、「オルシン(年配の人の呼称)と呼びなさい」と答えたというエピソードがあり、ファンはジョンハン先生を「リュ・ルシン(リュ・オルシンの略)」と呼ぶことがある。

年配の方に共通しているように(?)、ジョンハン先生も喫煙者。禁煙にチャレンジしては失敗を繰り返してこられたらしいが、「フランケンシュタイン」初演時にはこれに成功したとか。その後継続しているのかはなぞ。ファンたちは、「オルシン、禁酒しろとはいいませんから、禁煙は続けてください」と祈っているらしい。

「ドラキュラ」初演時にもどうやら禁煙がきいたとみられ、ファンの間では「オルシン(の声)が若返った」と評価された。そのかいあって、「リュ・チョルハン(ジョンの文字を、若者(チョルムニ)のチョルの語にかえている)」の呼称を再度獲得したとも。

・・私はこの、「オルシン」エピソードが笑えて好きです・・。

 

◇「腐」目線からの評価(?)◇

リュ・ジョンハン先生は敬虔なプロテスタントであるが、テレビで英国の長年つれそった老男性カップルの姿を見て、そのかわらぬ愛を理解し、同性愛にたいする偏見がなくなったと発言しており「スリル・ミー」に出演することにしたとされる(ちなみに、「スリル・ミー」の「私」役で第13回韓国ミュージカル対象主演男優賞を受賞されています。ジョンハン先生の「私」は歴代最高との評価も)。

さらに、公演時に後輩や同僚とのスキンシップが多いほうであることが指摘されている。とくに「フランケンシュタイン」初演時にはアンリと最もスキンシップの多いビクターとして、乙女たちをもやもやさせた(らしい)。

しかも、男性俳優から「ジョンハン兄貴、大好き!」と露骨に表現される。もちろんそれは敬意の表現であるのだが・・(とWikiの書き手も、もやもやしている)。この男性俳優陣の代表的な人々は、カン・ピルソク、シン・ソンロク、カイ、チョン・ドンソクなど。はっきり言ってジョンハン先生と一緒に公演した後輩たち(男)に彼を嫌いという人がいないのではないかと思うくらいである、という。なんでも、チョ・ジョンソクは韓国ミュージカル大賞新人賞の感想においてジョンハン先生に言及し「ミュージカル界の長女、ジョンハン兄貴」と述べたとか。ミュージカル中毒者のあいだでは、これらの人々はリュ・ラインと呼ばれる。中でもシン・ソンロクとチョン・ドンソクは当初から冗談交じりに「私生活追っかけ」と呼ばれるほどであった。

(その証拠として挙がっている記事を、チョン・ドンソクさんとシン・ソンロクさんそれぞれ1つあげておきましょう)

「『モンテクリスト』チョン・ドンソク『私の人生のメンターリュ・ジョンハンに出会った作品』」ArtsNews2011年3月16日

‘몬테크리스토’ 전동석 “내 인생 멘토 류정한 만난 작품” | 아츠뉴스

(チョン・ドンソク王子が、ジョンハン先生をミュージカル俳優としてだけでなく、人生のメンターとしている発言をされておりますね。出会いのあった「モンテクリスト」は特別な作品・・らしい)

「帰ってきたモンテクリスト、リュ・ジョンハンとシン・ソンロク」PlayDB2011年2月18日

공연의 모든 것 - 플레이DB

(記事の書き出しが「モンテクリストでの縁をきっかけに特別な兄弟愛を分かち合う二人」とかですからね・・)

どれだけ愛されているんですか、ジョンハン先生って感じですね。 

◇結論◇

いかがでしたか?こんな愛すべきリュ・ジョンハン先生ですが、プロとして一本筋が通っていることでも有名。練習映像やトークコンサートなどに姿を現さないし、インタビューもあまり受けない。舞台本番こそが役者の神髄!って心意気をおもちです。ギャラやネームバリューのためではなく作品をみて出演を決めるとか、1年を通じてほぼ休む期間がないことでも知られています。

たしかに、リュ・ラインのメンバーでなくても「ジョンハン兄貴、すきだ!」と言いたくなる「漢(おとこ)」でありつつ、包容力ある、魅力的な俳優さんなのです。

あと一つ気になることがあるとすれば。リュ・ジョンハン先生の私服はなんであんなにダサいのか、ということでしょうね。まあ、オルシンだからといえばそうなのかな、と。

 

参考)ナムWiki「リュ・ジョンハン」류정한 - 나무위키