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ミュージカル『ジキル&ハイド』(日本キャスト)感想つづき-一人あっち向いてホイ問題について。

ミュージカル『ジキル&ハイド』日本キャスト版を見てまいりました、という話はすでにお伝えした通り。無意味に熱く石丸ジキル・ハイドの仕上がりについて語らせていただきました。今回は、名曲「CONFRONTATION(対決)」の演出に焦点をあててみたいと思います。ホリプロ東宝から公開されている映像は「時が来た」一押し体制。「対決」は現場でみたまへ!ということか。

ホリプロさんとこのプロモ)

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東宝さんとこのプロモ)

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見事に「時が来た」祭り。確かに、ここから盛り上がるんだもんね。「対決」は見せてしまうと現場での楽しみが減じられてしまう「演出」に面白さのある曲なので、ここで見せるのは勿体ないやもしれません。

で、かなり楽しみにしていたのですが・・。

実際見た感想としては。え、これ「対決」なの?いつからこれが「対決」になったんですか!東宝さん!と言わずにはおられぬ演出でございました。今はこれがスタンダードなんですか。

 

実を言うと私の初「ジキル&ハイド」体験は、韓国版。韓国キャストの「ジキル&ハイド」でこの「対決」は、ブロードウェイ版に準じた形でつくられておりまして、正しく「一人あっちむいてホイ」形式が採用されております。だがしかし!今回日本キャスト「ジキル&ハイド」では、完全版一人あっち向いてホイではなかった。きもち「あっち向いてホイ」に過ぎない。なぜ、なーぜーっ。

 

まず、この「一人あっち向いてホイ」について解説しておきましょう。この名称自体、わたしが勝手に名づけたもので、人口に膾炙したものではございません。というか今適当に考えた名称です。一人ツッコミ一人ボケ、と言ってもよい。あるいは一人二人バオリとかでもよいかもしれません(ますます意味不明)。

要するに、左上方を向いたときがジキルで、右下方を向いたときがハイドになる。一地点に突っ立ったまま、歌う時の方向で「あしゅら男爵マジンガーZ)」のごとくキャラを入れ替える演出なのです(注、あゆら男爵とは、右半身が女性で左半身が男性という斬新なキャラクター。アニメ「マジンガーZ」に出てくる。さすが永井豪先生。というか例が古い)。

ジキルのときとハイドの時に俳優にあたるライトの色が変わることと、俳優さんがこの二人を「歌いわける」ことで、人格が葛藤している様子が示されます。

 

(David Hasselhoffさんのバージョンであっち向いてホイをご確認ください)

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最後の方で、ハイドの歌唱のスキをついてジキルが「No, Never!」と表れてくるあたり、入れ替わりのピッチが速くなって、まるで本当に二人の人物が歌っているように感じられるのが面白い。ミュージカルファンならずとも、ここの部分には「おー!」っと前のめりな感じになるのではないでしょうか。

 

しかし今回の演出では、なんだかほんわかしたライトの入れ替わりはあるのですが、石丸さんはそこそこ舞台上を動き回るので、一部にだけ絞って光を当てるようなことはなされません。光は舞台全体を照らします。そのため、「人格の葛藤」への集中度が弱められてしまった気がする。演技だけでカバーせよ!という演出なのかもしれませんが、それはちょっとごむたい。石丸熱演によって確かに葛藤は表現されましたが、なんせ光が散漫だからかどこ見てよいやら、迷いが生じる。

 

「対決」は、いかにあっち向いてホイをしつつ、その「滑稽さ」を観客の脳内から消え去り、ジキルとハイドの対話、いや「対決」を目の当たりにしている感を与えるか、という点で俳優の力量がためされる曲だと思うのですが・・。

ぜひとも、日本キャストでも、あっち向いてホイを取り入れてほしいものです。

 

韓国ミュージカルライフなので、韓国版のあっち向いてホイも貼っておきましょう。いろんな俳優さんのがあるのですが、とりあえず2選・・。

(ジキル・ハイドの分離感がかなりある、リュ・ジョンハン先生バージョン。)

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(「レミゼラブル」日本キャスト・韓国キャストいずれでもジャンバルジャンを演じたヤン・ジュンモ教授)

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