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Kミュージカルシネマ「マリーアントワネット」鑑賞記-ミュージカルを映像としてみる

Kミュージカルシネマ「マリーアントワネット」を見てきました。舞台はやっぱり生で見たいけど、過去の作品を見るとなると映像しかない。韓国ミュージカルは舞台録画DVDが発売されることはほぼないので、とっても貴重な機会でした。ありがたや。さて、作品それ自体の感想は後日述べることにして、今回は「ミュージカル」を映像として見る体験について考えてみたいと思います。

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キャストはこちら。

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まず、オープニング。カイによりすぎてて全体がとうなっとるのかわからんぜよ!と叫びたくなる、つーところからはじまりはじまり。

いやまあ、カイを前面に見てください、という気持ちなのでしょうが。え、今どこで歌ってるの、他に声が聞こえるけど誰かいるの、と思わずにはいられない展開。舞台上ではマリー・アントワネットがフランスへ嫁いできたとき、国境でオーストリアのものをすべて捨てさせられた・・というエピソードがシルエットで提示されていた模様なのですが、見えない、ちらっと画面に映ったけど揺れ揺れで、よくわかりませんよ。 もうちょっとしっかり映してくださいな、旦那。というかんじ。

 

映像で見るということは舞台撮影をしているカメラさんあるいは、それを編集した人の視点に同一化してみるということなのだと、しょっぱなから痛感。もちろん、映像だからこそ、1列目からのオペラグラスでがん見視点(ようするにすごいアップ。勝手に命名)が取れるなどのメリットもあるのですが。よくよく考えてみると、普段の観劇シーンでそこまで俳優さんにがぶり寄りしない。むしろここぞ!という演技ポイント以外は、舞台全体を見ているほうが多い気がする。だからなのか、むしろこの画面の外はどうなっておるのじゃ、ぬぬ、もうカイの顔はよい、ほかをみせぃ!ともだえ苦しむこととなりました(カイのファンの方には申し訳ないですが、他の俳優さんのときも思いましたので・・)。

 

また、映像は画面の大きさまでしか映りませんので、小さい窓を通して舞台をみているような気分になりました。もちろん、実際の舞台でも3階席などであれば、舞台は小さく見えます。ですが、映像で見るスクリーンの制限感とは何かが異なる。それはおそらく、ミュージカルを見ているときというのは、舞台そでや客席を含めた劇場空間全体を感じながらみているからではないか、と思ったのでした。

 

で・す・が、次第に物語が盛り上がってくると、編集のかゆいところに手が届いてない感や、画面狭いよー感、インターミッションないのかなー、トイレいきたくなったらどうしよう感はしだいに薄れてきます。この時、空間的な制約を補ってくれたのは、俳優さんたちの熱演と歌。韓国ミュージカルはやっぱ歌だよね、と思わせてくれるハイパワーボイスが、映画館という空間を劇場へと変貌させてくれたのです。ひゃっほー。

こうなってくると、むしろ1階席視点と2階席視点(やや上方からの俯瞰)などが混ざっていることが、お得に感じられても来る。観劇の際には、通常どちらか1つの席につくしかないのですから。劇場内を自由にとびまわりながら観劇する体験とでも申しましょうか。

 

というわけで、やや不安な気持ちで見始めたKミュージカルシネマでしたが、最後は作品に引き込まれて感動の気分で「幕」となりました。カーテンコールまで入っていたのもうれしかった。

 

しかし、気持ちが入ってくると俳優さんたちが曲を歌い上げるたび、そして、カーテンコールであいさつされるたびに、拍手したくなるもんですね。映画館ではみなさん拍手されなかったので、我慢(それがふつうなのかな)。そして改めて、観劇とは、自分の参加も含めての楽しさなのだなあ、とも実感したのでありました。

 

まだ上映予定があるみたいですよ。未見の方はぜひ。

3月27日(日)渋谷区文化総合センター大和田 伝承ホール (東京都)