フランケンシュタインにメロメロ その3 ロングコートの魅力考
さて、しつこく韓国ミュージカル「フランケンシュタイン」の魅力について書き殴ってている間に、マッコン(千秋楽)が近づいてまいりました。みなさま、劇場配布のクリアファイルは入手されましたでしょうか。フランケン撮影コーナーでビクターごっこ(または怪物ごっこ、あるいはそのどちらも)を堪能されたでしょうか。観劇されるかた。堪能してください!!いいなー!
・・すでに、劇場に足を運べるというだけでうらやましい今日この頃。
さて、今回力説してみたいのは、「フランケンシュタイン」の魅力の一つに、ロングコートの美、というものがあるということです。しかも、マ・キ・シ丈!ここ、重要ですよ。単に長いだけではいけません。足くびまであろうかというこの丈が大切。
例えば、ビクターのこのロングコート姿。ハートを射抜かれた方も多いかと存じます。ずきゅーん。
上から目線でお送りしております、ドンソク・ビクター。
このコートは、怪物くんとお揃いです(いや、もともとビクターのコートを着せられたわけですから、同じものですね)。
ちょっとワイルドにくたびれたロングコートさん。汗が染みてそう。
さて、このコートが「怪物」に渡るのは、まさに彼が生まれたとき。ビクターが、自分の実験のために犠牲になった友、アンリをよみがえらせようとして創り出した「被創造物」が動き出した瞬間。その時、ビクターが歓喜しながら、愛をこめて彼を包んだのがこのロングコートなのです。「怪物」にとってこのコートは、その生誕を喜ばれたほんの一瞬が存在したことを象徴するものであり、かつてビクターが着用していた、彼の一部でもある。
しかし、その与えられた愛は、すぐに憎悪にかわり、ビクターは彼を殺そうとするのです。その切ない記憶・・。だからこそ、このコートをなびかせ(丈が長いとなびくからね!)、怪物がビクターに復讐を誓うとき、傷だらけの体を隠したそのロングコート姿は痛々しくもあり、かつ、ビクターへの複雑な思いも感じられちゃったりもして、見ているほうは動悸息切れめまいが襲ってきてエライことになるわけです。
そして最後の対決。北極のシーンでは。ビクターは北極探索用(?)のロングコートを着用。「怪物」にあげたロングコートはレザー交じりのちょっとワイルド系だったのですが、この時ビクターが来ているのはケープみたいなのがついたウールコート。二人の対決にあたっても、光をはじき、冷たさを感じさせる怪物のコートと、ケープに守られたビクターのコートが二人の孤独との向き合い方の差異を強調します。
北極で絡み合う二人(こう書くと誤読しそうですね)・・。ロングコートがばさりばさりとなびくそのシーンを目の当たりにすると、こ、これはこの衣装でなきゃいかんね!と実感。
そしてもちろん、カーテンコールで最後、ビクターと怪物役の俳優さんが並んだ時の美しさといったら、ロングコート、ホントにいい仕事してくれてるよ!と叫ばずにはおられますまい。
おまけ)
見てると着たくなるのか。韓国ではコスプレ衣装を作ってくれるところも登場しているようですね。