韓国ミュージカル☆ライフ

韓国ミュージカルを楽しみつくすブログ

2017年韓国カキ氷界のトレンドは「トマトカキ氷!」-甘いトマトの逆襲!

カキ氷の夏がやってまいりました。韓国ではあらゆるカフェでピンス(氷水、かき氷の意)がお目見え中。伝統的なパッピンス(あずき氷)への回帰から一転、この数年は豪華さを誇るピンスがその美を競ってまいりました。今年のピンス戦線はどこへ行くのか。これ以上マンゴー乗せられても困っちゃう・・と思っていた矢先。突如現れた伏兵。それは今年大注目の一品。「トマトカキ氷」なのでございます。

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(これはコーヒーチェーン店・パスクッチのトマトピンス)

甘いトマトの国、韓国

かつて韓国を旅した人々は、パン屋のショーケースにならぶケーキをみて驚いたものである。「イチゴかとおもったらプチトマトがのっかってるじゃないか!」。あるいは、野菜が足りないからトマトジュースでも飲むか、とおもってデルモンテトマトジュースをえらんだにもかかわらず、「デルモンテよ!おまえもか!・・・砂糖はいってる」と、甘いトマトジュースを口にうなだれたことがあるはず。そう、韓国は甘いトマトの国だった。トマトはフルーツ。トマトはお菓子の一種。特にプチトマトはいちごみたいじゃない?的な。そういえば、パッピンスにもはいっていたプチトマト。いくらなんでも餡子とは合わないだろうよ、とつぶやいたあの日。

しかし時は移り、「あ、このトマトジュース甘くない」という飲み物が店の棚に並び始めると、いつしかプチトマトのっけのケーキもパッピンスも多数派ではなくなっていった(たまにみかけるけど)。そう、このトマトカキ氷はこうした韓国の伝統的味覚を呼び覚ますものであったのだ。・・と息巻いたら、え、これ日本発祥なの?という驚きの事実が。

 ブームの根っこを提供したのは実は日本のカキ氷

なんでもトマトカキ氷を始めたのは、その名も「東京カキ氷도쿄빙수」というお店。オーナーは、外資系企業につとめ、日本出張のさいに出会ったオイシイモノを韓国にとりいれようとお店をはじめたのだとか。一号店は6号線マンウォン駅付近のマンウォンドン(망원동)に位置し、ちょっと不便。弘大エリアから少し足を延ばしたあたりと申しましょうか。この店を一躍有名にしたのが2016年5月に初登場したという(出所의외의 조합 '토마토 빙수' 인기라는데)、そう、われらがトマトカキ氷なのでございます。練乳とトマトが織りなすハーモニーは、トマトをお菓子としてたべていたかつての韓国的味覚を活性化。おまけのトマトではなくメインをはるトマト。お店は話題の店となり、現在は、最近話題の益善洞(イクソンドン)や建大(コンデ)、さらには地方にも支店が誕生したそうな。

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(トゥーサムプレイスのリアルトマトカキ氷。プチトマトてんこ盛り)

そして2017年。ついにコーヒーチェーンが動き出した。A TWOSOME PLACE(トゥーサムプレイス)やPASCUCC(パスクッチ)でも、トマトソースよろしく甘いトマトがミルクピンスにかけられた、トマトカキ氷が続々と登場しはじめたのです。ほかにも、プラザホテルなどではトマトジャムをかけたトマトカキ氷も登場。高級化の流れもはじまっている・・・。たぶん。

庶民のためのトマト味も復活

この甘いトマト味ブームをうけて、でしょうか。ヘテ製菓から2005年に発売されていたトマト味アイスクリーム(バー型、カップ型、チューブ型が存在)もこのたび復活。発売当初は人気を博すが、危ない成分が含まれているなどの都市伝説が広がり突如発売中止。市場から姿を消していたのです。しかしこの空前のトマトブームをうけ、2017年セブンイレブンにお目見えいたしました。またもや観光客は、トマトマをもとめセブンイレブンをはしごすることになりそうですね!

www.youtube.com(かつてのトマトマCM。時代を感じます)

 

大学路観劇前グルメ(その3)-ソウル3大パン屋「ナポレオン菓子店나폴레옹 과점」のパンを大学路で「Bakery Napoleon」

大学路グルメシリーズ第三弾。劇場周辺で、かつ旅行にきたからには食べておきたいグルメ(?)を紹介するこのコーナー。その店もう知ってるよ!というお店ばかりやもしれませんが。劇場に近い、という観点からはここをおすすめせねばなりますまい。ナポレオン菓子店大学路店でございます。

※2019年4月現在閉店しております・・!

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(二階のイートインスペースがCoCo壱番屋になってしまった・・)

ドリームアートセンターや東崇アートセンターなどでの観劇計画がある場合、ここでパンを購入すると動線に無駄がありません。ちょっと時間があるときはイートイン。

韓国パンのDNA

さて、1968年創業のナポレオン菓子店나폴레옹 과점はソウル3大パン屋の1つとして名をとどろかせております。残りの二つは、江南のキムヨンモ菓子店、弘大のリッチモンド菓子店とされる(※最近弘大から城山洞に移動?)。時にナポレオン製菓店、ナポレオンパン屋などとよばれ、微妙にどれが正しいのかよくわからない・・なナポレオン菓子店。菓子店が正式らしい。製菓店だと思ってた。何となく。

キムヨンモ菓子店やリッチモンド菓子店の職人たちを育てたのは実はこのお店。そういう意味で、ソウルのパン屋は実はナポレオン帝国である、とさえいえるのです。というのも、かつてナポレオン製菓のオーナーは、店の職人たちのレベルを上げるため、フランスや日本に彼らをおしみなく(かどうかはわからないが)留学させたそうな。それは、韓国で留学それ自体が一般的でなかった1970年代から80年代のこと。パンのための留学など、さらに珍しいことだったのです。パティシエという言葉をかなり早いころから使用しはじめたが、当時の韓国の人々にはパティシエが何を意味するかとんとわからなかった、というエピソードがあるほどです。

しかも、ナポレオン製菓のオーナーは、自身がパン職人ではなかったこともあり、パンのレシピを職人たちに共有させた。一子相伝ではなく、そのノウハウを共有することを選んだパン屋。そのレシピは、いまや韓国の大手チェーンのパン屋のレシピにまで広がっているのであった。まさに韓国パンのDNAを作り上げたのが、ナポレオン菓子店なのでございます。昔は高いパン屋だ!とおもっておりましたが、ソウルの物価が爆上げされた昨今、むしろお手頃感すら感じるではございませんか。え、こんなに安かったっけ、とさえ思うお手頃感。

しかし、ですよ。レシピを共有しているにもかかわらず、店によって微妙に味が違う気がするこのお店。なぜレシピどおりつくらないのだ韓国のパン職人のたちよ!

いちばん間違いないのは本店なのですが、漢城大入口は恵化から微妙に遠い(といっても地下鉄で1駅の距離なんですが)。観劇ついで、となると心理的に遠いのです。そんな時ありがたいのが「大学路店」。一時期工事中だったため「ついになくなってしまうのか!」と恐れていたのですが、イートインスペース縮小という残念改革後、無事営業を再開してくれておりました。とりあえずよかった・・。とりあえず、そんなに劇的に味もちがわない(気がする)。

韓国ドラマ的な展開も

 さて、ここまでに紹介したナポレオン菓子店のヒストリーは、なんだか「(韓国版の)プロジェクトX」になりそうなストーリーでございました。しかしここは韓国。韓国ドラマ的展開もナポレオン菓子店には期待したい。そしてその期待にきちんと応えてくれるのがさすが「ソウル三大パン屋」の一つ(意味不明)。

かつて韓国が貧しかったころ。しかし成長を続ける経済に希望を抱く人々がたくさんいたあのころ。オーナーは職人を育て、ナポレオン菓子店を、そしてソウルのパン文化を育てた。やがて韓国の社会は成熟し、一人当たりGNPも先進国並みを達成した。オーナーは年老いた。そして・・・おこるのが「跡目相続争い(かどうかわからないが)」なのです!おおー。韓国ドラマの王道ですね。

1990年代半ばごろからナポレオン菓子店は相続人間での分家が進み、城北本店を中心とする勢力、狎鴎亭を中心とする勢力、蚕室を中心とする勢力へと分断されていきます。それぞれの勢力は異なるレシピを保有するものとみられ、同じナポレオン菓子店をなのっていても、ことなるパンが製造されている。しかも勢力を超えてポイント交換はできない冷戦体制。それを韓国のパン好きが図にしたのが以下(すごいな・・)。

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(ナムWiki나폴레옹과자점より引用)

 それぞれの勢力下で得意とするレシピが異なるので、自分がもっとも愛するケーキやパンがどの勢力によって持ち去られたのかを確かめるべきなのだそうじゃ。というわけで、大学路のナポレオン菓子店を第一歩として、広大なナポレオン帝国レシピ探しの旅に出てみるのも、また韓国グルメの楽しみ方の一つなのかもしれない。

ちなみに、大学路店ではカットケーキを頼むと飲み物が2000ウオン安くなります。アメリカンが4000ウオンなので、セットがお得!

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行き方

地下鉄4号線恵化(ヘファ)駅、1番出口を出て右にまがり、道なりに「ドリームアートセンター」を目指して進むと、左側にあります。

大学路観劇前グルメ(その2)-大学路でホットクと言えば「ホットク堂」!甘辛ニ方向から攻めていきますよ。

ミュージカル観劇旅行では、大学路とほかの劇場間を移動しつつマチネ・ソワレを楽しまれる方も少なくないと思われます。そんな時におススメなのが、韓国屋台おやつの王道ホットック。そして、大学路周辺を統べるのがこちらの「ホットク堂호떡당」!露店ホットクでは、シナモン風味の黒蜜入りが王道とはいえ、ナッツ入り、抹茶味、チーズ入りなど挟むものの多様化は進み、乱世の様相を呈しております。そんなホットク戦国武将地図において安定のおいしさを誇るこのお店のホットクは、バリエーションも豊富。夕食を食べ損ねて劇場へ向かうそのついでに、はらの虫押さえに最適の一品。緊迫のシーンでぐーぅと腹を鳴らさないためにも必須のアイテムです!

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(屋台ではなく店舗なんですが)

ホットク堂のホットクは、甘いものだけではなく、野菜入りだのトッカルビ(ハンバーグのようなもの)入りだのという御惣菜系の具がセレクトできるのが魅力。また、焼き中心パリパリ系ホットクとはことなり、ほぼ揚げ物カリカリ系の系譜に位置付けられるこのお店。腹持ちのよさは太鼓判です。

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(妊産婦と二等兵は無料らしい)

クル・ホットク(通常の密入り)1000ウオン

野菜・ホットク1500ウオン

トッカルビ・ホットク2000ウオン

ホットドック

お手製ホットドッグ1500ウオン

お手製チーズホットドッグ2000ウオン

アイスクリーム類もありまして

アイスクリームホットク2000ウオン

ソフトアイスクリーム1000ウオン

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(かじる場所によっては春雨しか見えない「野菜」味なのであった)

御惣菜系の具を選ぶと、「揚げパン」とみまごう分厚いホットクを手渡されます。皮はカリッとしつつももちもちで中の塩っぽい具との相性もバッチリ。腹の虫もしばらくはだまってくれる満足感なのです。

お店のおやすみは大学路らしく月曜日(周辺の劇場がお休みですからね)。営業は12時から24時と、まさに演劇時間にあわせてくれている。大学路芸術劇場のすぐそばのおみせ。差し入れに大量購入している人も見かけます。

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4号線ヘファ駅2番出口をでて逆方向にあるき、一つ目の角を右へ。二つ目の角を左に曲がったところ(大学路芸術劇場の手前の道)左手にお店が見えます。