韓国ミュージカル☆ライフ

韓国ミュージカルを楽しみつくすブログ

演劇「スルース」(2017年、韓国キャスト)-チョン・ドンファ、チョン・ウクジンペア再び!

韓国ミュージカルライフと名うったこのブログではございますが、今回は演劇編とまいりましょう。2017年6月2日~7月23日までデミョン文化工場2館にて上演されました、演劇「スルース」。ミュージカル「スリルミー」10周年ロスから立ち直るべく、チョン・ドンファ、チョンウクジン、いわゆるコッ・ニュペアでみてまいりましたよ。歌わないふたりの緊張感あふれるやりとり。ただ残念なのはもうおわっちゃったよ!ということでしょうか。報告がおそくなりもうしわけございませぬ。

f:id:pokos:20170812203600g:plain

アンドリュー(作家):チョン・ドンファ

マイロ(俳優):チョン・ウクジン

枯れた男と野心的な男?

さて、演劇「スルース」は二人劇。人気推理作家と彼の妻の愛人である俳優が登場人物です。作家に呼ばれた愛人は、豪華な彼の邸宅に招かれる。妻と別れろと言われるのかとおもいきや、そこで作家から提案されたのは、ダイヤを盗んだことにして、その保険金を妻の生活費として持参させるので、ひとつ泥棒を演じてくれないか?というもの。提案も提案だが、売りことばに買いことば、いつのまにか乗せられたのか乗せられたふりをしているうちに本当になってしまったのか。俳優は泥棒を演じることに。しかし演じていたはずの「泥棒」という役回り、いつのまにか作家は本気で俳優を「泥棒」として扱うようになり、ついには銃口を向けるのだった。

ーーというような、お話なのですが。

 この作品、作家として名声を獲得したが、男性としての輝きや魅力、能力を失いつつある老境の男、アンドリューが、なにも持たないが生命力と男性的魅力にあふれた俳優、マイロに嫉妬し、自らのプライドを守るためにギリギリのところで彼と知恵比べをする、という部分にポイントがあると思われるのですが。しかしですよ。フェロモン垂れ流しのチョン・ドンファさまにその役は無理だろ、とおもわずにはいられない。枯れたオッさんの哀愁は、残念ながらまだ20年は漂いそうにない。いや、20年たっても、ラテンなちょい悪オヤジ(死語)になると思われる。しかしこの作品においてそれは裏目に出てしまうのです。枯れていない「作家」というのは、「俳優」との間に、持つ・持たないの格差をつくることができないわけでして。他方、チョン・ウクジンさん演じる「俳優」マイロは、どちらかといえば好青年系で、怪しい魅力はやや封印されておりました。なぜに封印?・・。なにも持たないハングリーさに裏付けられ、すべてを掛け金とするような、張りつめた男の魅力といいましょうか。そういのとは方向性がことなっていたような。

というわけでこのペア、息はぴったりで途中のアドリブもいい感じ(ピエロの仮装をする下りでは、ムチャブリなどもあり、大爆笑)。このペアの芝居を観たいと思う観客は多いだろうと思うのですが(もちろん私もその一人)、やっぱりこの作品における、二人の緊張感と奇妙な信頼感の醸成・・という設定には、この二人の息はぴったりすぎる気がいたしました。

もうちょっと、スリルミーから間があいてたほうがよかったのかな(見てるほうも)。

ミュージカル「ロッキーホラーショー록키호러쇼 」(2017年韓国キャスト)見てきたよ-マイクル・リー様はマダムのごとし

 ミュージカル「ロッキーホラーショー록키호러쇼」が2017年5月26日から8月6日まで弘益大大学路アートセンターにて上演されました。報告が千秋楽後になってしまいました・・。観客をまきこむさまざまな仕掛けにみちた本作品。いちいち丁寧に参加してるといつのまにやら浮かれポンチになってしまう本作品。基本お祭り騒ぎののぞき見趣味、ストーリーというよりはその壊れ具合を一緒に楽しむのがミソと思われます。なので、意外に語学力をとわず楽しめたように思います。さて見て来たキャストはこちら。

f:id:pokos:20170728213344g:plain

フランク・フルター博士:マイクル・リー

ジャネット:キム・ダへ

ブラッド:コ・ウンソン

マジェンタ:ソムンタク

リフラフ:キム・チャノ

高貴なるフルター博士

ミュージカル「ロッキーホラーショー」のストーリーはあってなきがごとし、よくわからないどんちゃん騒ぎがくりひろげられていくその毒々しさに魅力がある作品といえましょう。深く考えると、さまざまに時代を感じる問題要素もあり、微妙な気持ちになったりもしますので、そのあたりには立ち入らないのが正解。一応詳細を理解されたい方には、われらがWiki先生をご紹介しておきたい。ロッキー・ホラー・ショー (ミュージカル) - Wikipedia。みなさま、確認されましたでしょうか。わけわかりませんね!

さて、マイクル・リー様の博士はなんだかとても上品なマダムでございました。あるいは京都の小料理屋の女将といった風情(いったことないけど)。日本版「ロッキーホラーショー」、古田新太さんのアクの強い博士のイメージに支配された脳みそは、かえってリー様のあまりの神々しさに目潰しの刑か?とつぶやかずにはおられません。え、これってJCSだっけ?みたいな(いや、それはない)。もちろん、その衣装は珍妙にしてセクシー、にもかかわらず腕のむきむき筋肉が気になる。この不協和音が不思議の国にふさわしい風情なのです。また、カーテンコールでは「私は異星からきたから韓国語が下手なのよ」とおっしゃっていたリー様。たしかに、微妙に聞きづらい部分もありましたが、まあ、そんなに細かく聞き取らなくても、どうせ変なことしか言ってないし!という安心感もございました。

韓国のモラルコード?

ともあれ、本作品は本来クイァな要素にあふれた作品なわけですが。これを東方礼儀の国韓国でみると、どことなく最後の最後でたかがはずれきっていない気もする。ショーとしてのレベルが高いが故に、そこそこ綺麗にまとまってしまいすぎるような。他方で韓国の政治デモなどに遭遇すると、モラルを追求にかける情熱は半端ないことを実感せざるをえないのですが。が、薬、スプラッタ、食人といったインモラルさの追求は微妙なおなじ熱量ではおこなわれないのか。これはあくまでサブカルチャーカウンターカルチャー領域にとどめておくべき「たか」なのかもしれない。ミュージカル「ロッキー・ホラー・ショー」はあくまでもエンターテイメントとして作られており、わい雑さを減じ、皆が楽しめるレベルに調節されているようでした。

とはいえ、夏の暑さをぶっ飛ばす、健康的にみんなが参加できるお祭りみたいな作品という意味では、とても楽しかった!

ミュージカル「ロッキーホラーショー록키호러쇼 」(2017年韓国キャスト)見てきたよ-まずは準備すべきこと編

ミュージカル「ロッキーホラーショー록키호러쇼」が2017年5月26日から8月6日まで弘益大大学路アートセンターにて絶賛上演中。暑さを吹き飛ばすアツいショー。千秋楽まであと1週間。みなさまもう御覧になられましたでしょうか。これから見に行かれるかたは、ぜひ1階席で。入場の際には、客席入口で配られる月刊ロッキー新聞をかならずもらってくださいね!

f:id:pokos:20170731210348g:plain

(まずは骸骨君がお迎え)

体制を整えて参加せよ!

さて、本作品。劇場に足を踏み入れた瞬間からさまざまな参加企画がはじまっております。そこには、ピロピロ(吹き戻し)を吹きながらローラースケートでうろうろするアンサンブルの方々(ファントム)が。一緒に写真を撮るもよし、追いかけられて逃げるもよし。ともあれ、劇場に入った瞬間から、フルター博士の古城の近くに我々もすでに来ているらしいことを感じる仕掛けなのです。なので、ぎりぎりではなく、少し早目に会場入りするのがおススメ。

タイム・ワープダンスを彼らから習うという楽しみ方もありますよ。ちなみに、タイム・ワープダンスとは、劇中で登場人物たちが踊るダンス。観客も立ち上がり、一緒に踊らされます。カーテンコール時にもダンスタイムがございますので、前方席に座るかたは、万端の準備が必要かと。

www.youtube.com(開演前にくりかえし上映中な練習動画。にわか勉強OK。振り付けを覚えて楽しもう!)

また、MDショップでは、劇中で使用可能な(?)懐中電灯・ゴム手袋・吹き戻しのセットが販売されております。この使用法は、下の図の黄色の部分。

f:id:pokos:20170728215839g:plain

1)懐中電灯:ジャネットとブラッドが明かりを探すシーンで応援のためにかざそう

2)ゴム手袋:フランク・フルターの台詞「ブラッド、もしかして入れ墨ある?」に合わせて、ゴム手袋をはめよう

3)吹き戻し:フランク・フルターとロッキーの結婚式で吹き戻しをふいて彼らをお祝いしてね

しかし、ゴム手袋はなぜ皆ではめる必要があるのかよくわからないのですが。はい。

では緑部分の指示はなんなのか。特に、OP席および1・2列目に座席をとってしまったあなた。ぜひ上段右の指示を参考に、ブラッドにブレッドをなげようではありませんか。これ、「ブラッドを慰める方法」というイベント。「すみっこでもの悲しく泣いている彼を慰める方法」として、前方席の方々に「手に持てるくらいのパンをブラッドに向けて投げてください」とあります。ブラッドは韓国語表記では「ブレッド」という役名なので、ブレッドにブレッドをあげるということなのでしょうか。舞台上でブラッドがパンを投げつけられるシーンで、観客席からもがんがんパンをなげつけましょう。・・これって慰めているんですかね。

いやいや、グッズも買わないし、パンも投げないよというあなた。しかしこれだけは忘れてはいけない「雨を避ける方法」。上段左側の指示です。ブラッドとジャネットが防雨にあった時、みなさんも「月刊ロッキー」を頭にのせてね!とあります。そう、このミュージカル、1階に雨が降るのです。・・といっても、ファントムたちが客席におりてきて、基本的には霧のようなシャワーを振りまくだけなのですが。が、通路側座席の人、ファントムたちに狙われちゃったお客さんは結構な雨量。「月刊ロッキー」1枚では防ぎきれない可能性も。念のため2-3枚もらっておくのも策かもしれません。さてみなさま、ダンス準備OK、雨よけOK、パン・ピロピロ・ゴム手袋・懐中電灯OK。ではまいりまSHOW!