韓国ミュージカル☆ライフ

韓国ミュージカルを楽しみつくすブログ

小ネタ-ミュージカル「ヘドウィグ」韓国キャスト・2017年、マイクル・リー様は英語でトーク??

ミュージカル「ヘドウィグ」、2017年・韓国キャスト版が2017年8月18日~11月5日まで弘益大大学路アートセンター大劇場にて上演予定でございます。現在インターパークチケットにて単独販売中でございます。

今年のヘドウィグには、オ・マンソク、ユ・ヨンソク、マイクル・リー、チョン・ムンソン、ジョ・ヒョンギュンがキャスティング。これを見たとき、マイクルは何語でトークを繰り広げるのであろうか?と疑問が浮かびました。ご存じの方も多いとは存じますが、ミュージカル「ヘドウィグ」は、彼女/彼のつぶやきともいえるような語りによって展開する劇。「語り」の部分が多く、さらに客いじりなど即興的なやりとりも少なくない。ほぼ一人劇のおもむきなのです。いつのまにやら、マイクルさまはこれを韓国語でできるほどに修行(?)を積まれたのであろうか?

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とおもいきや、彼の回は原語(英語)公演となる模様。チケット販売ページの公演観覧案内には「マイクル・リーの公演は別途字幕なく英語で行います。チケット購入時にはご注意ください」との記述がございます。欧米か!(古い)。

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現在オープンしているチケットは9月10日まで。その間にマイクル・ヘドウィグは赤で囲まれた部分の4公演のみ。特別公演というような位置づけになるのでしょうか。ともあれ、今季、会場の笑いには、時差が生じること必至!

※マイクル・リー(Michael Lee)俳優は、スタンフォードで心理学を学んだ異色の出自をもつ韓国系アメリカ人のミュージカル俳優さんです。ブロードウェイでもミス・サイゴンなどに出演。韓国でも「ジーザス・クライスト・スーパースター」や「ノートルダム・ド・パリ」でその透明感ある歌声を披露している。2016年からはJTBCで放送中の「ファントムシンガー」にプロデューサーとして参加中。・・って、ご存じのかたには蛇足でございますが。基本的に会話は英語な俳優さんなのでございます。

ミュージカル「グレート・ギャツビー」(東宝版、2017)見て来たよ!-宝塚トップスター?な井上芳雄さんを堪能できるよ

たいへんご無沙汰しております。皆様いかがお過ごしでしょうか。韓国「スリル・ミー」ロス後あっというまに時は過ぎゆく。韓国では夏の大型ミュージカルがこぞって開幕。みなさま夏の観劇プランは整いましたでしょうか?

さて、久しぶりの更新となった本記事ではございますが。今回報告するのは韓国ミュージカルではございません(スリル・ミーの残り記事は、いまだしつこくアップしたいと妄想しておるのですが)。

宝塚歌劇小池修一郎演目の金字塔。「グレート・ギャツビー」の非宝塚バージョンを見てまいりました報告。もちろん、ギャツビーを演じるは日本が誇るミュージカル界のプリンス井上芳雄日生劇場で2017年5月8日に幕を開けた本作品。6月3日~15日まで愛知・中日劇場、そして大阪・梅田芸術劇場では7月4日~16日。とうとう関西にやってまいりました。この後、博多座7月20日~25日と公演は続きます。ハイライトCD発売も決まり、絶好調。

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(「全てを手に入れた男が、ただひとつ手にできなかったのは、愛―。」のコピーと共にたたずむ井上芳雄さんのオーラやいかに??)

小説のミュージカル変換

スコット・フィッツジェラルドによる原作小説は、アメリカ文学を代表する作品の一つ、と評される超有名作品。その文体や視点の取り方、ギャツビーを通じて描かれる当時のアメリカ社会。論じるべきところあふれる名作でございます。とはいえ、そもそも小説の物語を舞台に置きなおしたとき、視点のおきかた(誰の目を通して物語を見るか)は変化せざるを得ない。舞台はなんといっても生身の人間がわんさかと一つの場所に出てくるわけですから。なので、小説版にあった空気感はミュージカルにおいて何らかの形に解釈しなおされ、変換されなくてはならないわけです。その一つの見どころとして、ギャツビーのカリスマ度、というのがあるのではないでしょうか。

というのも今回、小池版ギャツビーは「宝塚の魔法」の粉をまぶして完成するギャツビーであるのだな、と実感いたしました。もちろん東宝版を作成するにあたり、さまざまな手直しがはいったということです。しかし。下に張り付けた舞台映像冒頭12秒目あたりにあるギャツビーの登場シーン。「私がギャツビーです」と名乗りを上げ、階段から降りてくるシーンに要求されるスター・オーラーは、なんというか宝塚のトップスター・オーラな気がする。ここで、劇場の雰囲気を一気に掌握し、ギャツビーに観客の視線を集中させることができるか否かが、役者さんには問われるのです。こ、これ、相当大変ですよ!

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宝塚のトップスターの輝きは、観客との信頼感や組のシステムなどガッツリとした安定感のうえに放たれるもの(たぶん)。それを今回の演目のために結成されたカンパニーにおいて、急速になしとげなければならない。はたしてそんなことできるのか??

ーー一幕目はややスター・オーラシンクロが「もう少しあってほしいかも」と思わされる部分が目についた。そこでは、小池演出と、井上芳雄という役者のオーラがぶつかりあい、ギャツビーという人物としてのしっくり感が足りない気がしてしまったのです。

「この役、パク・ウンテさんで見たいなー。韓国でも上演してくれないかな」などと脳内でつぶやいてさえしまった(申し訳ない!でもウンテさんにも演じてほしい・・)。

しかし、二幕からの怒涛の展開において、一幕での感想を恥じました。井上プリンスのデイジーの愛を信じて疑わないギャツビー(よく見てみろ、デイジーはそんな女じゃないぞ!と言ってあげたくなるような)の、前しかみてない危うさと純粋さ、その狂気のようなものに、ガツンとやられたのでした。

なんだろう、これは宝塚?とおもうような動作も板につき、「女性に演じられる理想の男性」を「演じる男性」として一つの到達点を見た・・かもしれない。いや妄想かもしれないけど。

そしてあらためて、宝塚版も見たい!と強く想いもしたのでございます(あるいは、韓国版。イ・ギドンさんもお父さん役で再登場というのはどうでしょう)。

映画「馬車に乗ってワイワイ(마차 타고 고래고래)」見て来たよ-ミュージカル映画なのか?

みなさまごぶさたしております。スリル・ミー10周年ロスにさいなまれる日々、いかがお過ごしでしょうか。新たな情熱そそぎ先を見つけなければと焦る日々。スリル・ミーのOSTが擦り切れそうです(注;デジタルは擦り切れませんね)。しつこく観覧記を書いていくつもりではおりますが、とりあえずロッテシネマで公開されていた映画(2017年5月18日~)、「馬車に乗ってわいわい(마차 타고 고래고래 )」を見て来たので報告をしておこうかと。

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ダウム映画情報を見る限りすでに上映館は激減しているようですが。さもありなん。私がみた上映館では、かなり直前まで「もしや、今日は私のためだけに上映することになるのでは?」と恐々としたほどの観客の少なさ。来てる人は全員ミュージカルファンという感じでも「ない」不思議さ。何をもとめて見に来たのか、一人ひとりインタビューしたかったくらいです。いやまあ、映画なんだから映画ファンが見に来てもいいのですが。

もしやこのページに、純粋に映画「馬車に乗ってワイワイ」目当てでたどりつかれた方がいらっしゃるやもしれませんので説明しておきますと。そもそもこの作品はキム・スロプロジェクト第13弾ミュージカル「ゴレゴレ」と同時に企画された「映画編」。ミュージカル「ゴレゴレ」は中・小劇場ミュージカルの人気演目として成功。映画の出演俳優さんには、本来ミュージカル専属の俳優さんもいて、ファンの間では公開が待たれておりました。しかし独立映画祭での上演後なんの消息もない日々が続いた。もう公開はないのか、ファンがあきらめたころでのロッテシネマ単独公開。「つ、ついに上映が始まるのか」的映画だったのでございます。まあ、そうこうしている間にミュージカルは再演もされ、初演時と話が変わった部分もあったりして。大人の事情をもやっと醸し出しております。

ミュージカル映画

さて、本作品映画館の案内では「ミュージカル映画」に分類されておりました。しかし、近年の成功したミュージカル映画ラ・ラ・ランド」や「美女と野獣」、「ヘアスプレー」のような、「ザ・ミュージカル映画」をイメージしてくると、あれ?っと思わずにはいられない。そもそもこの映画、芝居の部分にミュージカル性は全くございませんからね。台詞は台詞。突然歌になったりしない。

「ゴレゴレ」は、高校時代の友人たちが結成したバンド「国道1号線」が、大人になって諸々のしがらみにからめとられそうな日常をぬけバンドを再結成し、かつての夢だった、木浦から旅をしながら路上ライブを繰り広げ、バンドフェスティバルが開催されるチャラソン(実際にチャラソン(地名です)では様々なフェスティバルが開かれます)を目指すという物語。否が応でも彼らが演奏し、歌うシーンが存在するストーリーなのではございます。ですので、バンドの持ち歌はガンガン歌われるし、全編を通して音楽があふれてはいるのですが。まあ、考えてみるとミュージカル「ゴレゴレ」も、芝居の部分は独立性が高い。あれってミュージカルなのか?と疑問がわいてきたりもします。そもそもミュージカルって何?突如深い問いへといざなわれてしまう、異次元ムービー(大げさ)でございました。

とりあえずキム・ジェボムさんの「弟ぶり」がすごい

さて、今回の個人的見どころとしてあげたいのは、ミュージカル俳優、本作品が初映画となるキム・ジェボムさんの演技。彼はホビン役のチョ・ハンソンさんより、もちろんミヌ役のハン・チサンさんより年上なのですが、「ヒョン(兄貴)!」と呼んで彼らのまわりをころころ子犬のようにうろつき、険悪になった二人の仲を取り持とうとするジェボムさんの(ホビンの弟役)ビョンテは超キュート。国民的美魔女コンテスト(美魔法使い?)に出場してほしいくらいの若々しさです。ホビン兄さんとの仲の良さ表現も、視聴者の萌えツボをよくわかっていらっしゃる、とうならされました。ジェボムさんにも妖精様の称号あげてもいいのではなかろうか?

しかし、皆で川遊びするシーン。わたくしは見逃しませんでした。一瞬映るジェボム・ビョンテ君の腹筋。半端なく割れておりましたよ。腹筋を割るためのトレーニングによって形成された筋肉というよりは、腹筋つかって日々発声するが故についた本気の腹筋。う、美しい。いいものみせていただきました!(どこ見てるんだ)。

韓国的映画鑑賞法

さて、もう一つ付け加えておきたい点といたしまして。上映館内の観客自体が非常に少なかった、というだけではなく、最後まで映画を見た人がほぼいないという衝撃の事実が。ここで観客たちはミュージカルファン層ではないな、という確信がむくむくと沸き起こりました。もちろん韓国の映画館においてエンドクレジット(エンドロール)が流れた瞬間みなが帰り支度するのはしごく日常の風景ではある。しかし、映像のなかで皆がバンドフェスティバルの「祭りの後」舞台でごろごろ寝袋にくるまっているシーンなどは、見なくていいのか?気にならないのか??と質問したくなる。

そう、なのでもちろん、クレジットの後にくる「後日談」のシーンを見たものはいないのであった。いいのかそれで。・・・ホビンが出世できたこと、知ってあげて!

OSTも発売されてます

さて、映画版のOSTも発売されたようで。DVDも発売される予定とのこと。OSTは現在、インターネット教保文庫などのサイトで注文可能。教保文庫は日本にも発送してくれるので、おひとついかがでしょうか(リンクは以下です)

마차 타고 고래고래 - 인터넷교보문고