韓国ミュージカル☆ライフ

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ミュージカル「スリル・ミー」(韓国キャスト、2017年10周年版)見て来たよ-伝説はダテではない!チェ・ジェウン、キム・ムヨルペア編(2)

ミュージカル「スリル・ミー」もう御覧になられましたでしょうか。OSTは販売と同時に長蛇の列が生じ、そしてあっという間に第一次入荷分が売り切れたというすさまじさ。韓国版「スリル・ミー」2017年2月14日~5月28日まで、ベガムアートホールにて上演中でございます。地下階の劇場入り口には10周年記念(?)歴代キャスト一覧表も設置されておりまする。f:id:pokos:20170308224736g:plain

さて、前回まえフリだけで肝心の感想までいきつかなかったチェ・ジェウン、キム・ムヨル(ウン・ム)ペアの観劇記、続きとまいりましょう!

呼吸さえ浅くなる緊張感

「伝説のウン・ムペア」はまさに韓国スリル・ミーの総本山。元祖あるいは本家というにふさわしい、セクシャルなモノが極限に隠蔽された(だからこそ、実は強烈にセクシャルな)男同士のアツイ絆。韓国映画が得意とするような、オッサン同士のもやもやした阿吽の呼吸が見事に表現されていたように思えます。二人はまさに対等な力関係で幼いころからの同士でもある。でももちろん、そこには社会的に言われる「友情」以上の何かがあることが両者に自覚されているのです。そして、彼が私を試したり、それをわかって許容したりする「ゲーム」が彼らの間には成立している。まさに「共犯関係」にある二人。

そんな緊張感あふれる駆け引きが根底にある中での一場、バードウオッチングからの流れ、「彼」登場時の「私」の反応が秀逸なのです。純粋に彼が待ち遠しく、彼に合えたことがうれしすぎる様子が「私」からあふれる中に、「私」が彼とのやり取りの中にドキドキしている(恋のトキメキだけではなく、何らかのスリル。だからこそのセクシャルなドキドキ)様子が紛れ込んでいる。ここ、チェ・ジェウンさんの表情、声、間がうまい。そしてそれをうけるキム・ムヨルさんの「ちょっとアホっぽいヤンキーなボンボン」リチャードも絶品。この作品は、最初のシーンで表現された二人の関係が、後半の流れを決定してしまうともいわれているのですが、もう、二人の演技プランは完璧だと思われる。この最初あっての、最後の台詞「スリル・ミー」なのです。この流れが自然。だって出会った瞬間それ確認してたよね!と実感できる。そしてだからこそ、「너무 멀리 왔어Way Too Far」が染みるのです。もう・・ね。もう、見てください!!!と叫ぶほかない。

ジェウン「私」の良妻ぶりとムヨル「彼」のアホぶり

・・ちょっと冷静さを取り戻しまして。

このペアでまずもって心奪われるのはチェ・ジェウンさんの「私」キャラ。サイコでもワンコでも魔王でもない「本家」スタイルとはこのことか(サイコも魔王も好きだけれど)。まさに「共犯者」として「彼」によりそう「私」なのです。最初の場面でリチャードがたばこをくわえ火をかせと「私」に言うシーン、ここはペア事の解釈がかなりわかれており、二人の関係性がよく見えるのですが。チェ・ジェウン「私」は背後で完璧にマッチスタンバイオッケー。「彼」がタバコ吸うかもという空気をかもしたとたん、身についたものとしてすごく自然にマッチを差し出す「私」。この絶妙な間が二人の特別な歴史を感じさせる。しょっぱなからやらかしてくれますよ。この後、「私」が皆がリチャードを望んでも、「私」ほどではないと歌うのに納得しまくりです。私もそう思ったよ!と観客たちは心の吹き出し(音楽・演劇マンガ的表現)で叫んだことでしょう。きっと。

さて、できた妻にはえてしてアホ旦那が似合うというのが物語の常(?)。ウン・ムペアもこのセオリーに違わない。キム・ムヨルさんの「彼」はまさに「ガキ」。火付けで興奮しているときに上着を半脱ぎして「かもーん!」な様子を見ると、「おいおい、落ち着けよお前」とたしなめたくなる子どもっぷりなのです。それをニコニコ見守り、かつ自分も結構楽しんでいる「私」。もう、勝手に二人でよろしくやっておいてください!とみてるこっちが照れちゃうほのぼのラブ(いや、放火シーンなのですが)。もちろんその背景には、犯罪によってエクスタシーを得ている「彼」、それをみてさらなるエクスタシーを感じちゃう「私」という構造も見え隠れする。た、たまらん・・と、それぞれの表情をオペラグラスでガン見すること間違いなしなのです。

 

と、まだ前半の感想しかかけておりませんが。時間切れ!ということでこの感想はまだ続くのでありました!ひゃっほー(変なテンション)。

 

 

 

 

ミュージカル「スリル・ミー」(韓国キャスト、2017年10周年版)見て来たよ-伝説はダテではない!チェ・ジェウン、キム・ムヨルペア編(1)

ミュージカル「スリル・ミー」今年の韓国版はすごいらしい――。韓国版「スリル・ミー」2017年2月14日~5月28日まで、ベガムアートホールにて上演中でございます。韓国では2007年から毎年(!)上演される人気演目である本作品、今年はとうとう10周年を迎え、歴代人気ペア・俳優さんがキャスティングされ、チケット争奪戦が繰り広げられるわ、ファン待望のOSTもついに出るわということでえらいことになっております。中でも、もっともチケットをとれないといわれるチェ・ジェウン、キム・ムヨルペア。彼らは「伝説」のペアとも呼ばれ、日本キャスト版が上演されたさいに来日公演も果たした二人。もしも3月中に渡韓される機会があるならば、ぜひとも見ていただきたいペアなのでございます。

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 (長年連れ添った夫婦のような半端ないケミが味わえます!)

「伝説」とは?

チェ・ジェウン、キム・ムヨルペアはその名の一字をとって「ウン・ム」ペアともいわれ、絶大な人気を誇っています。スタンプカードのハケ具合も群を抜いている。2007年の初演時から参加されているこの二人、2010年にペア結成したときには(組あわせ順の問題もあり)強烈なチケット争奪戦のあまり、見ることができた人がほとんどいなかったという「伝説」が。また、彼らは、時には暴君、時にはビッチ(リチャード)、良妻賢母になったり魔王になったり、クールなシティーボーイコンセプトを試したり(ネイスン)さまざまな演技プランでキャラを模索し、ファンを魅了してきたわけで。もちろん、それらのすべてがファンに受け入れられたわけではないし、すべてのキャラづくりが完璧だったわけではないようですが、それでも初演から積み上げた演技の成熟度は素晴らしく、ファンは彼らをもっと見たい!と熱望したのでした。しかし、ファンのアツイ想いにもかかわらず、2010年公演終了時にキム・ムヨル俳優が「もうリチャードは演じない」とファンに告げたこともあって、ペアの「伝説」化は加速。2012年に日本キャストで上演がされた際一時的に再結成されたものの、もう彼らを見ることはできないのか・・と、毎夜多くのファンが枕を涙で濡らした(かもしれない)のでございます。そんなこんなで2017年、彼らが返ってくるとあっちゃあ、あなた。見ないわけにはいかないでしょう。もちろん、スリルミー初心者にもおすすめです。韓国スリルミー10年の重みを感じさせるこの重鎮のケミを堪能いただきたい。

 二人の不思議な空気感はこちらで感じてみてください

 さてこの二人、舞台上では長年連れ添った夫婦のような絶妙な間が素晴らしいのですが。舞台上の緊張感を取り去った姿が見られるのがこちらの映像。プロフィール撮影現場でのインタビュー。

www.youtube.com

お二人は、10年間一つの作品が多くの人に愛されてきたことを喜ぶとともに、それに力を得ているとおっしゃっており、ファンへの感謝を述べられています。久しぶりに練習をやってみたけれど以前の感覚があっていい感じだったとチェ・ジェウンさんが言うと、キム・ムヨルさんはひととおりチェ・ジェウンさんをほめた後、ジェウンさんが作り上げているのが、ほかの方々とは異なる、頭の良い、悪く言えばずるがしこい「私」だと指摘されています。また、練習の過程で、(時間がたったからこそ生まれてくる)以前とはちょっと違う感じもあるのでそこを発展させてみるよ、とも。そして、観客がいてこそ完成する部分もあるはずなので、この10周年という「お祭り」を盛り上げていきたいという話をされております。お互いが話しているときに軽くうなづいたり、ちょっと吹きだしたりする様子に、この二人の「間」が感じられもする。そして彼らがどんなタネを「発展」させたのか。舞台をみてこそ「あれだったのかも!」と思う部分があるかと存じます。ですので、観劇前にこの映像をみて、そして観劇後に再度ごらんいただけるとさらに味わい深いものがございますよ!きっと。たぶん。メイビー。

 ペアスタンプを集めよう

 さて、ミュージカル「スリルミー」は何度も見るファンが多数を占める作品。今回も再観覧は当然ですよね!ということで「スリルミー再観覧カード(スリラーカード)」が発行されております。ペア別カードが選べる今回、ペアごとに押してもらえるスタンプも異なります。ペア別カードに、ペア別スタンプを集めるべきか、すべてのスタンプを集めるべきか、悩ましいところ。ちなみに、チェ・ジェウン、キム・ムヨルペアのスタンプは、「タイプライター」でございます。彼らがくじ引きでスタンプの種類を決めてくれる様子は以下の映像からどうぞ!

www.youtube.com

スリラーカードの詳細はこちらの記事に。

 

pokos.hatenablog.com

 ・・・って、感想までいきつかなかったよ!

小ネタ-韓国ミュージカル界の皇帝、リュ・ジョンハン先生が(ついに)ご結婚ですって!

リュ・ジョンハン先生の結婚(予定)報道がなされましたね!お相手は女優のファン・イニョンさんです(ファン・インヨンさんと記述すべきなのか?中央日報日本語版に従うと、イニョンさん)。韓国の報道記事では「ファン・イニョンさんのお会い手のリュ・ジョンハンさんは・・・」というような紹介順序をとるところが少なくないようですが。韓国ミュージカル・ライフではもちろん、「皇帝リュ・ジョンハン先生のお相手となられる方とは」という方向性でまいりましょう。

ファン・イニョンさんとは?

えー、マニアックなwikiをあえて選択して紹介文をみてみましょう。韓国のドラマに関して作成されているWki、ドゥジョWikiを見てみますと。

「ファン・イニョン(1981年11月23日〜)は、大韓民国の俳優である。モデル出身の演技者として容認大学を卒業した。高い競争率を突き抜けて、1999年の映画「ダンスダンス」に主人公に抜擢されてデビューし、初出演のドラマであるSBSの「警察特攻隊」でも女性特攻隊員役で主演を務めたが、2003年以降には、演技活動があまり活発していない方で、主にモデルとして活動している。2005年のダイエットビデオを発売した。2006年大河ドラマ「淵蓋蘇文」にヨンゲソムンの妹であり、高句麗の将軍役で出演して時代劇に初出演した。(황인영 - 드조위키)」

とある。ミュージカル関係の方ではないようですね。個人的にはどんなダイエットビデオを出されたのか?そのあたりが気になりましたので、ちょこっと調べてみました(そこか!)。なんでもファン・イニョンさんは「ヌンキックダイエット」というものを提唱されているようで。ヌンキックとは、「ヌンチャクのヌンと、キックのキック(そのままですが)を合わせた言葉」らしく、実際ヌンチャクを用いて行う新しいタイプのフィットネスなのだそう。もちろん、ブルースリーになるわけではないので、本気ヌンチャクではなくスポンジだかなんだかでできたもを使うのだそうです。詳細が知りたいかたは(いるのか?)こちらの記事をどうぞ。

woman.donga.com

結婚式は3月13日、やっぱり月曜日

とはいえ、お二人はまだ挙式前。今回の報道は3月13日に挙式を予定しています、という報告でございました。やはり式は月曜日。お祝いにこられる方々もミュージカル関係者が多いと考えられますので、休演日が御式となるようです。

で、今回のニュースは「単独報道」としてOSENが流したのが最初のようですが。ちなみにこのOSENは、2004年にオンラインスポーツ新聞として紙媒体からネット中心の媒体へと変化し、2006年からは芸能記事などへと重心を移してきた会社で、現在韓国の3大ポータルサイトに多くの記事を提供しているのだとか。なんだろう、このどうでもいいことばかり調べてしまうのは、動揺しているあかしなのか・・。

osen.mt.co.kr

リュ・ジョンハン先生が公式サイトに掲載されたファンへの報告メッセージの全文も、こちらの報道に掲載されておりました。翻訳機で読めるのではないかとおもわれます。

www.msn.com

試しに翻訳機にかけてみたのですが「ご健勝定め」という謎のワードがでてきましたが。これが「健勝・ジョンハン」ですので、ご注意くださいませ。

しかし、ジョンハン先生がご結婚されることで、アラフォーの俳優さんたちが雪崩をうって結婚しちゃう・・なんてことがおこったり・・しない、よ・・ね?(いや、していただいてもいいのですけれど、もにょもにょ)。